躯体・電心設計に関する建設現場イメージ
Core & Electrical Routing Design

躯体・電心設計

Core & Electrical Routing Design

工事の種類
くたい・でんしんせっけい

躯体・電心設計とは

躯体・電心設計は、鉄骨躯体、コンクリート床スラブ、電気配線、給排水・空調などの設備配管が複雑に交差する建築物において、これらの干渉を事前に検出・調整し、施工時のトラブルを未然に防ぐ設計プロセスです。特にビルやホテルなど設備が充実した建築物で重要です。

従来は2次元図面で各専門分野が独立して設計していましたが、BIM(Building Information Modeling)の普及により、3次元空間上で干渉チェックを実施するアプローチが主流化しています。

躯体・電心設計の主要要素

躯体計画柱配置、梁高さ、スパン長の決定。これらが設備配線スペースを制約するため、最初の重要な判断です。梁成(梁の高さ)が大きすぎると天井高が制限され、小さすぎると梁内配線が困難になります。

コア計画:縦シャフト(機械室、EPS室)の位置・寸法の決定。ここに給排水、電気幹線、空調配管が集約されるため、最初に決定すべき要素です。コア位置の後付け変更は極めて困難なため、基本設計段階での合意形成が重要です。

梁内配線ルート:電気配線、通信ケーブル、給水・給湯管、ドレン配管などを梁内に通す場合、梁高さ、主筋・あばら筋の配置に影響を与えません。RC躯体の場合、軽量鉄骨壁下地や埋込み管の設計が必要です。

床スラブ貫通孔:設備配管が床を貫通する箇所(PS:パイプシャフト)を事前に指定。スラブ打設時に貫通孔の位置決めが必要であり、施工計画に直結します。

躯体・電心設計の実施方法

BIMによる3次元干渉チェックBIMソフト(Revit、Navisworks等)を活用し、躯体、設備配管、電気ルートを3次元で統合。自動干渉チェック機能により、衝突点を効率的に抽出できます。

専門分野横断的な調整会議:構造設計者、電気設計者、設備設計者、施工者が参加する定期的な調整会議を開催。図面上での干渉解消策を協議し、合意文書を作成します。

設計成果物の統一:躯体図、電気系統図、設備配管図の整合性を確認。特に「設計基準」として、配線高さ、管径、ルート指定を統一的に示すことで、現場での混乱を防げます。

施工段階での現地確認:実施設計段階での最終確認に加え、鉄骨建て入れ時、コンクリート打設前に現地で再確認。隠れてしまう部分のため、写真撮影・記録が重要です。

躯体・電心設計と工期・コストの関係

躯体・電心設計が不十分な場合、施工段階で多くの追加工事が発生します:

  • 配管ルート変更による手戻り工事、追加費用
  • 床スラブ打設後の孔あけコア抜きが必要になり、強度低下・工期延長
  • 躯体の追加補強工事
  • 工事中断による近隣への迷惑、工期遅延

逆に、基本設計段階で十分な躯体・電心設計を実施すれば、施工段階がスムーズに進み、工期短縮・コスト削減につながります。

躯体・電心設計における実務的な課題

理想的な躯体・電心設計の実現には、多くの障害があります。

設計段階の時間圧縮:基本設計から実施設計への移行期間が短い案件では、十分な干渉チェックができないままスケジュールが進行する傾向があります。BIM導入により作業効率化が進む一方で、チェック漏れのリスクは常に存在します。

設計変更への対応:竣工後の用途変更に備えた設計柔軟性の確保が求められる一方で、過度な余裕設定はコスト増につながるバランスが難しい。顧客要望を反映させながら、合理的な躯体・電心計画を立案する判断力が必須です。

設備メーカー仕様の確定時期:設備機器の仕様が決定するまで、正確な配管径・接続位置が確定しないケースが多い。これにより、躯体設計への反映が後手になるリスクがあります。事前に仕様の想定値を設定し、実機決定時に調整する工夫が必要です。

施工現場の実情との乖離:BIM上では理想的に配置されていても、実際の鉄骨建て入れ時には、足場の配置、安全管理の都合で計画通りの配線ルート確保が困難になることがあります。施工実行計画との事前調整が重要です。

BIM活用による早期干渉検出
3次元設計で設計段階での問題抽出・解決が可能
専門分野の早期調整
構造・電気・設備の設計者による協議で、変更コスト・リスクを最小化
施工段階での最終確認
隠れる前の写真撮影・記録により、施工トラブルの早期発見が可能

柴田工業の現場から

石堂 洋三
石堂 洋三 現場管理・積算・調達

躯体と電心の干渉問題は、気付いた時には遅い。設計段階でしっかり調整してもらう必要があるんですが、現場管理として見ると、やっぱり鉄骨建て入れ前に最終確認をしておくことが鉄則ですね。特に隠れ部分は写真をしっかり撮っておくことをお勧めします。

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