
プレクーリング工法
Pre-cooling Method
プレクーリング工法とは
プレクーリング工法は、コンクリートの材料(練混ぜ水、骨材、セメントなど)や練り上がったコンクリートを冷却し、打込み時の温度を下げる工法です。マスコンクリートで内部の最高温度を抑え、温度ひび割れを減らす目的や、暑中コンクリートで品質低下を防ぐ目的で使われます。コンクリート内部に冷水を流して冷やすパイプクーリングが「打込み後の冷却」であるのに対し、プレクーリングは「打込み前の冷却」です。
主な冷却方法
- 冷水の使用:練混ぜ水を冷却して使う
- 氷の使用:水の一部をフレークアイスなどに置き換える
- 骨材の冷却:骨材に冷風や冷水を当てて温度を下げる
- 液体窒素:練混ぜ中のコンクリートに噴射して冷却する
骨材は容積が大きく、コンクリート温度への影響も大きいため、骨材の日射対策(日除け、散水)も効果的な基本対策です。冷却設備はレディーミクストコンクリート工場側に必要な場合が多く、事前に工場・施工者・発注者で協議して仕様を決めます。
管理の要点
暑中コンクリートでは、荷卸し時のコンクリート温度を35℃以下とするのが一般的な目安で、日本建築学会の指針や土木学会の示方書にも示されています。ただし、対象部位や仕様書により要求温度は異なります。特記仕様書や施工計画書で打込み温度の上限、測定頻度、測定位置を定めます。
運搬ではトラックミキサの待機時間を短くし、日陰での待機や打設順序の調整も行います。打込み後はコンクリート養生で急激な乾燥を防ぎます。鉄骨造でも基礎や柱脚まわり、厚いスラブでこうした配慮が必要です。
効果の考え方と注意点
コンクリートの打込み温度を下げると、セメントの水和熱による温度上昇の出発点が下がり、内部最高温度を抑えることができます。ただし、温度の下げ幅は材料の比熱と配合量に左右されます。質量が大きい骨材の温度を下げることが最も効果的で、水の冷却だけでは限界があります。
冷却しすぎにも注意が必要です。氷を使う場合は、練混ぜ終了時に氷が溶け残らないことが前提です。液体窒素を使う方法は、専用設備と安全管理(酸欠・凍傷への対応)が必要になります。また、外気温との差が大きいと、表面と内部の温度差による別のひび割れが生じる場合があります。冷却は、ひび割れ制御計画全体の一部として、調合の見直し(低発熱型セメント、単位セメント量の削減)や養生温度管理、パイプクーリングなどと併せて検討します。温度測定の結果は記録として残し、次回以降の計画に生かします。
柴田工業の現場から
夏場は生コン工場への事前相談が肝心です。冷却の手配や運搬時間を早めに詰めておくと、当日の品質が安定します。