
マスコンクリート
Mass Concrete
マスコンクリートとは
マスコンクリートとは、部材の寸法が大きく、セメントの水和熱によって内部温度が高くなり、温度ひび割れの危険がある部分のコンクリートをいいます。建築では厚い基礎スラブ、大断面の梁や柱、厚い壁などが対象になります。日本建築学会のJASS 6では、断面寸法の大きい部材で、水和熱による温度上昇を考慮する必要があるものを扱っており、目安として部材の最小寸法が80〜100cm程度以上とされることが一般的です(最新の規準で確認してください)。
温度ひび割れが起こる仕組み
コンクリートは固まる際に熱を出します。大きな部材では、内部の熱が逃げにくく高温になる一方、表面は外気で冷やされます。内部と表面の温度差によって、表面に引張応力が生じ、ひび割れになります。また、内部の温度が下がるときの収縮が、下の地盤や既設コンクリートなどに拘束されて、貫通ひび割れが入ることもあります。
主な対策
- 配合面:水和熱の小さい中庸熱ポルトランドセメントや低熱ポルトランドセメント、高炉セメントなどを検討し、単位セメント量を抑えます。調合の段階で、水セメント比や骨材とのバランスを設計者と確認します。
- 打設面:打込み温度を下げ、打設を分割したり、リフト高さを調整したりします。コンクリート大量打設管理とあわせて計画します。
- 養生面:表面の急冷を避けるため、保温養生をして内部との温度差を抑えます。温度計を埋め込み、養生温度管理を行います。
- ひび割れ制御:ひび割れ誘発目地や補強筋を設ける方法も有効です。コンクリートひび割れ制御を参照してください。
温度計測と数値解析
マスコンクリートでは、事前の温度応力解析(数値シミュレーション)を行い、ひび割れ発生の危険度を予測する場合があります。解析では、使用するセメントの断熱温度上昇特性、打込み温度、外気温、型枠の保温性、地盤の拘束条件などを入力します。結果を踏まえ、配合の変更や養生方法の見直しを行います。
施工中は、部材の中心部と表面付近に熱電対などを設置し、温度の経時変化を記録します。解析と実測のずれを確認することで、養生の終了時期の判断にも役立ちます。内部温度のピークはおおむね材齢数日以内に現れ、その後ゆっくりと下がります。
型枠の脱型時期にも注意が必要です。早すぎる脱型は、表面を急冷して内外の温度差を大きくします。温度の計測値を基に、型枠脱型の時期を決めるのが望ましい運用です。
柴田工業の現場から
大きな基礎の打設は、生コンの出荷量とポンプ車の台数を早めに押さえるのが肝心です。温度計測の費用も見積りに入れておくことをお勧めします。