
コンクリート破砕器作業主任者
Concrete Breaker Operations Chief
コンクリート破砕器作業主任者とは
コンクリート破砕器作業主任者は、コンクリート破砕器を用いて行う破砕の作業について、労働安全衛生法第14条および同法施行令第6条に基づき選任が義務付けられている作業主任者の一つです。選任できるのは、都道府県労働局長の登録を受けた者が行う「コンクリート破砕器作業主任者技能講習」を修了した者です。
コンクリート破砕器は、構造物や岩盤、コンクリートに削孔した孔に薬剤を装填し、その作用で内部から破砕する器具です。騒音・振動を抑えやすいことから、市街地での解体や既存躯体の部分撤去などで検討されることがあります。一方で、取扱いを誤ると破片の飛散など重大な災害につながるため、作業主任者による指揮が求められます。
主な職務
職務は労働安全衛生規則に定められています。大きくは、作業の方法と労働者の配置を決定して直接指揮すること、器具の取扱いや装填などの作業が適切に行われているかを監視すること、危険防止のための確認や措置を行うことです。具体的な条文の内容は、必ず最新の規則で確認してください。
実務上は、事前に対象構造物の状況を確認し、孔の位置・深さ・間隔を計画し、立入禁止の範囲を設定します。飛散防止の養生を行い、周辺への影響が出ないよう配慮します。作業前後の点検、不発や異常があった場合の処置の手順を定めておくことも大切です。
解体・撤去工事での位置づけ
建設現場では、躯体の一部撤去や、ブレーカーなどの機械による斫りが使いにくい場所での補完的な工法として検討されることがあります。鉄骨造の改修や増築では、鉄骨増改築工事管理に伴い既存コンクリート部分の撤去が生じる場面もありますが、使用の可否や採用工法は元請・発注者の指示や設計条件、関係法令によります。
また、薬剤を扱う作業では、火薬類や関連法令の規制が及ぶことがあります。使用する製品の種類に応じた法令(火薬類取締法など)の適用や、保管・運搬・消費の手続きについては、製品の仕様書と所管官庁・メーカーの情報で確認する必要があります。
現場管理のポイント
作業主任者の氏名を作業場所に掲示し、作業員に周知します。作業手順書を作成し、事前の打合せとKY活動で危険箇所を共有します。有資格者の確認、保護具(保護帽、保護眼鏡など)の着用、他工種との同時作業の調整など、安全管理の基本を徹底します。
資格取得と選任の実務
技能講習は、登録教習機関が実施し、学科と実技(または演習)で構成されます。受講の申込み要件や講習時間、費用は機関ごとに異なるため、実施団体の案内を確認してください。修了すると技能講習修了証が交付され、事業者が作業主任者として選任できます。
選任にあたっては、資格だけでなく、現場の構造・周辺環境・使用する破砕器の仕様を踏まえて作業計画を立てる力が必要です。作業主任者は、作業員任せにせず、装填や点火など危険度の高い工程に立ち会って直接指揮することが基本です。
この作業は頻繁に行われるものではなく、経験を積みにくいため、元請・協力会社・メーカーが連携して作業計画をレビューし、手順の確認と教育を行うことが望まれます。なお、法令の詳細や最新の通達は、厚生労働省や労働基準監督署の情報で確認してください。
柴田工業の現場から
この資格は出番が多くない分、必要になったときに慌てがちです。資格者の確保や掲示、作業手順の確認は、着工前に書類と現場の両面で整えておくと安心です。