
金属成形板張り
Formed Metal Sheet Cladding
金属成形板張りとは
金属成形板張りは、鋼板・ステンレス板・アルミニウム板などの金属板を、工場でプレス成形や折り曲げ加工(ロール成形・曲げ加工)した部材を、壁・天井・庇などに取り付けて仕上げる工事です。公共建築工事標準仕様書(建築工事編)の金属工事の項目にも、金属成形板に関する規定があります。
金属板を現場で曲げて葺く屋根工事とは異なり、あらかじめ成形した板を下地に固定する点が特徴です。外装では金属パネル工事と重なる範囲も多く、内外装の仕上げとして用いられます。
主な材料と仕上げ
- 塗装溶融亜鉛めっき鋼板などの表面処理鋼板
- ステンレス鋼板
- アルミニウム合金板(陽極酸化皮膜処理や塗装)
鋼板系の素材は、めっきの種類や塗膜の仕様によって耐久性が大きく変わります。溶融亜鉛めっきの特性も理解しておくと材料選定に役立ちます。
下地と取付けの要点
金属成形板は、軽量鉄骨や形鋼で組んだ下地に固定するのが一般的です。壁面なら軽量鉄骨壁下地、天井なら軽量鉄骨天井下地が使われます。下地の不陸は仕上がりの平滑さにそのまま現れるため、下地段階での精度確認が重要です。
取付けは、ビスやリベットなどで固定する方式、はめ込み方式(乾式工法)があります。板の熱伸縮を考え、固定点や目地の取り方を設計します。目地の防水にはシーリングを使う場合も多く、目地の幅と納まりは図面で確認します。
施工前には施工図で割付け、開口部周りの納まり、役物(隅部・見切り)の寸法を整理します。
施工上の注意
金属板は傷つきやすく、一度ついた傷や凹みは補修が難しいため、搬入・保管・取付け中の養生が大切です。また、異種金属が接する部分では電食の恐れがあるため、材料の組合せに配慮します。切断した小口は防錆処理を行います。
現場での加工が必要な場合は、バリの除去や切断面の処理を確実に行い、安全面では鋭利な端部による怪我に注意します。
割付けと熱伸縮の考え方
金属は温度変化で伸縮します。たとえばアルミニウムは線膨張係数が鋼より大きく、長い部材では夏と冬で伸縮量が無視できません。そのため、固定方法を「固定点」と「ルーズ(スライド)点」に分けて、伸縮を逃がせるようにするのが基本です。
割付けは見え方にも関わるため、設計意図と施工性の両面から決めます。端部に細い板が出ないよう、全体の寸法から逆算して割付けを調整します。
鉄骨造の場合、下地を取り付けるための鉄骨側の受け材は鉄骨工事の段階で入れておくほうが納まりが良く、後付けでは精度確保や溶接の手間が増えがちです。この点で、鉄骨側と仕上げ側の事前調整が重要になります。
柴田工業の現場から
金属板は傷がつくと直しにくいので、搬入から取付けまでの養生が品質を左右します。割付けも早めに固めておくと手戻りが減ります。