品質計画に関する建設現場イメージ
Quality Control Plan

品質計画

Quality Control Plan

管理の5本柱
ひんしつけいかく

品質計画の目的と意義

品質計画(ひんしつけいかく)は、建設工事において設計図書が要求する品質水準を達成するために、受注者が具体的に実施する施策・管理方法・検査方法をまとめた計画書です。鉄骨工事では、使用する鋼材の品質確保、溶接部の品質管理、工作図に基づく加工精度の確保、防錆塗装の施工方法など、工事全体を通じて品質を確保するための体系的なアプローチを示します。品質計画は監督職員の承認を得る必要があり、これが工事開始の前提条件となります。

品質計画の構成内容

品質計画は通常、以下の主要項目で構成されます。まず、基本要求品質の確認があり、設計図書が要求する品質水準を整理します。次に材料品質の管理方法を記載し、納入される鋼材・溶接棒・塗料等の検査項目・検査基準・検査方法を示します。加工・製作段階では、鋼構造製作工場での寸法精度管理、機械加工の精度、穴あけ加工の公差を記載します。溶接段階では、溶接施工者の資格確認、溶接方法の選定、超音波探傷検査などの検査計画を詳細に示します。現場施工段階では、アンカーボルトの締付け方法、トルク管理法の実施、部材の組立精度確認を記載します。最後に、品質管理体制として担当者の配置、各工程での検査実施体制、不適合品への対応方法を示します。

品質計画作成時の重点

品質計画を作成する際、受注者は単に設計図書を引き写すのではなく、自社の技術力・設備・人材を基に、実現可能で効果的な計画を立案する必要があります。例えば、設計図書が溶接品質の「JIS Z 3104」合格基準を要求している場合、品質計画ではその基準を達成するための具体的な施工方法(施工条件・順序・検査頻度)を示す必要があります。また、JASS6(鋼構造工事)や各種JIS規格との整合性を確保することも重要です。品質計画に記載された方法は、実際の工事現場での指示・教育・検査の基準となり、職人や作業員がこれに従わない場合は施工管理者が指摘する根拠となります。

品質計画の承認と遵守

作成した品質計画は、工事開始前に監督職員に提出し、承認を得る必要があります。監督職員が承認した品質計画は、以後の工事で遵守すべき基準となります。工事中に品質計画の変更が必要になった場合(例えば、材料の在庫状況で別の供給元から購入する場合)は、変更理由と変更内容を監督職員に報告し、承認を受けることが重要です。最終的に、竣工検査では品質計画に基づいて実施された各工程の検査記録が確認され、計画通りに実行されたかが検査される重要なポイントになります。

品質計画と現場実行のギャップ解消の実務

品質計画は机上で作成されるため、実際の現場施工では予期しない課題が発生することがあります。例えば、計画では「全溶接部にUT検査を実施」と記載しても、検査員の日程確保が難しい、検査価格の急騰など、実行困難な状況が生じる場合があります。柴田工業の経験では、品質計画作成段階で現場担当者(現場代理人施工管理技士)を交えた検討会を開催し、計画の実行可能性を事前に確認することが重要です。特に大規模プロジェクトでは、品質計画を複数回改訂し、実行の各段階でのチェックリスト化して活用することが一般的です。公共工事では「品質計画チェックシート」の作成が求められることもあり、現場での日々の実行状況を記録することで、不適合の早期発見と是正につながります。BIM導入により、三次元モデルで加工図・施工手順を事前にシミュレーションし、品質計画の妥当性を検証する企業も増えています。

設計図書の具現化
設計図書の品質要求を、実際の施工方法・検査方法で具体化した計画
法的効力
監督職員の承認を得た品質計画は、以後の工事で遵守すべき基準となる
現場の指針
職人教育・日々の施工指示・品質検査の根拠となる重要文書

柴田工業の現場から

石堂 洋三
石堂 洋三 現場管理・積算・調達

品質計画は『約束の書』です。それを監督職員に提出した以上、現場はこの計画を100%実行する責務があります。計画段階で『実現不可能な要求』に気づいたら、早期に監督職員と協議して修正することが大切です。

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