
発電機
Generator
発電機とは
発電機は、エンジンなどの動力で発電を行い、電力を供給する機械です。建設現場では、電力会社からの仮設電源がまだ引き込まれていない初期段階や、電源が確保できない屋外・高所、停電時のバックアップなどに、可搬式のエンジン発電機が使われます。燃料はディーゼル(軽油)とガソリンが主流で、出力はkVAまたはkWで表示されます。
種類としては、現場でよく使われる防音型のディーゼル発電機、小型で持ち運びやすいガソリン式、電圧や周波数の安定性に優れたインバーター式などがあります。単相100V・200V、三相200Vなど、機種によって出力できる電圧が異なるため、使用する機器の電源仕様を確認して選びます。
鉄骨・仮設鍛冶での使い方
鉄骨工事では、溶接機、グラインダー、電動ドリル、照明などに電力が必要です。高所や構台の上では、作業場所に近い位置に電源を確保するため、発電機を併用することがあります。ただし、溶接機は消費電力が大きく、特に電源の容量と電圧降下の影響を受けやすいため、発電機の容量には十分な余裕が必要です。
現場全体の電源計画は、仮設電力需要計画や仮設工事電力設計で定め、発電機は電力会社の電源を補う位置づけで計画するのが一般的です。配線や分電盤については仮設配線・建設用仮設電気も参照してください。
安全・環境面の注意点
- 感電防止:機器の外箱等の接地(アース)を確実に行い、漏電遮断器を介して使用する。労働安全衛生規則では、鉄板上・鉄骨上など導電性の高い場所で使う移動式・可搬式の電動機械器具には、感電防止用漏電しゃ断装置の接続が求められている。
- 一酸化炭素中毒:エンジンの排気には一酸化炭素が含まれる。屋内、ピット、地下、トンネルなどの換気の悪い場所では使用しない。排気の向きにも配慮する。
- 給油と火気:給油は必ずエンジンを停止し、冷えてから行う。周辺での喫煙・火気使用を禁止し、消火器を備える。
- 燃料の保管:消防法の危険物では、軽油の指定数量は1,000L、ガソリンは200L。指定数量未満でも、市町村の条例による規制があるため、現場での保管量を事前に確認する。
- 設置:水平で堅固な場所に置き、雨水の浸入や冠水を避ける。ケーブルは被覆の損傷を点検し、通路を横断する場合は踏まれないよう保護する。
容量選定で見落としがちな「始動時の電流」
発電機の容量を決めるとき、使用機器の定格消費電力を単純に足し合わせるだけでは不十分な場合があります。モーターを使う機器(電動工具、コンプレッサー、ポンプなど)は、始動時に定格を上回る大きな電流が流れます。始動電流を考慮しないと、運転中は足りていても始動時に電圧が低下してしまい、機器が動かなくなったり、発電機が停止したりすることがあります。
溶接機の場合は、定格入力(kVA)と使用率を機器の銘板で確認します。同時に使う台数が増えれば必要な容量も増えるため、実際の運用では「同時に動かす機器は何か」を整理してから選定します。電力の負荷が大きく変動する現場では、余裕を持った容量にしたうえで、特定の機器の使用順序を調整する方法も有効です。
また、発電機の出力を上限近くまで連続使用すると、燃料消費やエンジンの負担が増え、故障の原因になります。日常の管理では、始業前に燃料・オイル・冷却水の量、ケーブルの損傷、漏電遮断器の作動を点検し、記録に残します。詳細な選定方法や点検項目はメーカーの取扱説明書に従い、電気設備の扱いについて不明な点は有資格者に確認してください。電源の考え方全般は仮設電力管理にも整理されています。
柴田工業の現場から
発電機は機械の手配より、容量の見極めが肝心です。溶接機を同時に何台使うのか、現場の工程と合わせて確認してから調達するようにしています。