
グラップル
Grapple
グラップルとは
グラップルは、複数の爪(つめ)で物をつかむ油圧式のアタッチメント(作業装置)です。油圧ショベル(バックホウ)などの先端のバケットと付け替えて使用します。解体工事での建設副産物の分別・積込み、木材や鋼材の把持と移動、伐採木の運搬などに使われます。
解体現場では、鉄骨やコンクリート塊、木くずなどを種類別に仕分ける作業が多く、グラップルをつけた機械を使うと、人力より速く安全に分別できます。分別された鉄くずなどは売却できる場合があり、その扱いは有価物の考え方とも関わります。
種類と使い方
代表的なものに、つかみ幅が大きく解体材をつかむ「解体用」と、丸太や資材をつかむ「林業・資材用」があります。爪の本数や開口幅、回転機構(ローテータ)の有無によって使い勝手が異なります。回転機構付きは、つかんだ対象物の向きを変えやすく、積込みの精度が上がります。
鉄骨の撤去・解体では、ガス切断などで部材を切り分けたあとにグラップルでつかんで搬出するケースもあります。ただし、グラップルでつかんで吊る作業は、クレーン機能付きの機械としての使用とは扱いが異なります。つり荷として扱うかどうか、玉掛けが必要になるかは、使用機械や作業内容に応じて確認が必要です。労働安全衛生法令の規定に従い、用途外使用を避けてください。
安全上の留意点
つかみ損ねによる落下、旋回範囲内への立入りによる接触、機械の転倒が主な危険です。作業範囲に立入禁止の措置を講じ、誘導員を配置します。つかんだ物を高く持ち上げたまま走行・旋回しないこと、重心の偏った物は慎重につかむことも基本です。粉じんが多い解体作業では、集塵システムや散水などの対策も必要になります。安全管理の計画に作業手順を盛り込み、KY活動で共有しましょう。
用途外使用に注意する
グラップルは「つかむ」道具であり、本来は荷を吊る専用装置ではありません。現場では、つかんだ鋼材を別の場所へ置く際にワイヤで吊ったり、バケットのフックを使って吊り作業を行ったりする場面がありますが、機械の用途は取扱説明書や関係法令で決められています。油圧ショベルを荷のつり上げに使うには、一定の条件(クレーン機能を備えた構造など)を満たす必要があるため、独自判断で用途外使用をするのは避けるべきです。
また、つかむ対象物によって把持力や爪の形状が適合しないと、荷が滑り落ちる危険があります。長尺物の鋼材は中央よりも重心位置をつかむ、濡れた丸太や油の付着した鋼材は特に慎重に扱うなど、現場での取り決めを作業手順書に反映します。経験の浅いオペレーターには、ベテランが指導し、段階的に作業を任せるのが望ましい進め方です。
柴田工業の現場から
解体の分別ではグラップルがあるかどうかで工程が大きく変わります。手配の際は、爪の形と機械のクラスの組合せをよく確認します。