
分解図
Exploded View Drawing
分解図とは
分解図(ぶんかいず)は、製品や構造物を構成する部品・部材を、組み立てる位置関係を保ったまま分離して描いた図です。英語では exploded view と呼ばれます。通常は立体的な軸測投影や斜投影で描き、各部品の取付け位置、向き、組立ての順序を一目で伝えられる点が特徴です。
建設分野では、機械や設備の取扱説明、足場や仮設材の組立手順、金物の取付け納まりなどの説明に用いられます。
建設での使いどころ
鉄骨・金物の納まり
鉄骨の柱と梁の接合部は、ダイアフラム、フィラープレート、ボルト、エレクションピースなど多くの部品で構成されます。平面・立面の図面だけでは取合いが分かりにくい部分を、分解図にすると、部品の重なり順や取付け向きが明確になります。施工図や工作図に補足図として添える例があります。
仮設材の組立て
仮設鍛冶工事で用いる仮設の受け金物や治具は、部品数が少なくても取付け順序を誤ると不安全になる場合があります。分解図を作業手順書に添付すれば、作業員への周知が容易になります。仮設足場計画でも、特殊な部分の部材構成を示すのに有効です。
描き方の要点
- 部品は組み立てる方向に沿って一直線上に離して配置し、位置関係を破線で結ぶ。
- 部品番号を付け、部品表(数量・材質・寸法)と対応させる。
- 隠れる部分が分かるよう、視点を選ぶ。
- ボルトや溶接などの接合要素の種類・数量を併記する。
あくまで説明用の図なので、寸法や許容差を厳密に定める図面(鉄骨製作図など)とは役割が異なります。必要な寸法は別の図面から参照する形をとります。
関連する図面との違い
投影図は、物体を複数の方向から平面に投影して形状を示す図で、寸法の基準となります。展開図は面を平面に広げて示す図で、板金や内装に使われます。分解図はこれらと異なり、部品の「構成と順序」を伝えることに特化しています。BIMでは、3Dモデルから分解図に近い表現を比較的容易に作成できます。
分解図を作業手順書に活かす
現場では、図面を読み慣れていない作業員にも伝わる資料が求められます。分解図は文字情報に頼らず組立ての流れを見せられるため、新規入場者教育やKY活動の説明資料に適しています。
運用のコツは、次の点です。まず、部品番号は現場で使う呼称と合わせます。次に、取付け順序を数字で示し、危険を伴う工程(仮ボルトの固定前の荷重負担、墜落の危険箇所など)に注意書きを添えます。さらに、実際の材料との照合のため、部品表に数量と寸法を記載します。
図面変更があった場合は、分解図も更新し、旧版を現場から回収する運用が必要です。施工図検証の際に、分解図と製作図の整合も確認すると、取付け間違いの防止につながります。なお、メーカー製の機械・仮設材では、必ずメーカー発行の分解図・取扱説明書に従ってください。
柴田工業の現場から
部品が多い金物は、分解図があると発注数量の確認や取付け順の説明が楽になります。部品表とセットで使うのがおすすめです。