
展開図
Development Drawing (Developed Elevation)
展開図とは
展開図とは、立体の表面を切り開いて平面上に広げて表した図面です。建築・建設の分野では、使われる場面によって意味が少し異なります。代表的なのは、室内の各壁面を正面から見た形で描く「室内展開図」で、仕上げ材の割付、建具や設備の位置、高さ寸法などを示します。もう一つは、板金や鋼板、ダクト、円筒部材などを加工する際に、立体を一枚の平面に開いた形状を描く「部材展開図」です。
室内展開図の役割
室内展開図は、平面図だけでは分かりにくい壁面の情報を補います。たとえば、せっこうボードの割付、軽量鉄骨壁下地の配置、コンセントやスイッチの高さ、間仕切壁の仕上げなどです。立面図が建物の外観を示すのに対し、展開図は内部の壁を一面ずつ並べて確認できる点が特徴です。施工図の一種として作成される場合もあり、仕上げ工事や仕上げ下地工事の施工精度に関わります。
部材展開図の考え方
鉄骨や金属工事では、鋼板を曲げて箱形や円筒形の部材を作るとき、曲げる前の平面形状を求める必要があります。これを部材の展開図といい、曲げ加工による板の伸び縮みや板厚を考慮して寸法を決めます。プレスブレーキでの曲げや、レーザー切断による切り出しの前提となる図面です。金属パネル工事や金属工事では、見切りや役物の納まりを展開して確認します。
鉄骨の現場では工作図や鉄骨製作図に、部材の板取りや曲げ形状を反映することがあります。関連する鋼材の展開設計については鋼材展開図設計も参照してください。
展開図を読む・描くときの勘所
室内展開図では、基準となる床の仕上げ面(FL)からの高さ、天井高、壁の仕上げ厚さを必ず確認します。平面図の通り芯と展開図の位置がずれていると、墨出しの誤りにつながるため、墨出しとの整合が大切です。図面上で壁の方向を示す記号(展開の見る向き)を取り違えないよう、各面に名称や番号を付けて管理します。
部材展開では、曲げ部の内側半径と板厚から求める展開長さの考え方が基本ですが、材質や加工機械、金型によって補正値が異なります。計算値をそのまま使わず、試作や過去の実績を踏まえて決めることが現実的です。また、BIMを使えば、3Dモデルから展開図を自動で出力でき、図面間の不整合を減らせます。ただし自動生成された図面も、現場の納まりや施工順序と合っているかを人が確認する必要があります。
柴田工業の現場から
展開図は図面どおりに見えて、現場に当てると寸法が合わないことがあります。曲げ加工の前に、板厚や曲げ半径を踏まえた展開寸法を必ず確認しています。