
トルシアボルト施工
Torque Shear Bolt Installation
トルシアボルト施工とは
トルシアボルト施工は、鋼材同士を接合する際に用いる高力ボルト(ボルト径M20~M30)を、規定のトルク値で締付けたのち、シアピン(小径ピン)を挿入して確認する施工方法です。鉄骨工事において、梁と柱の接合、主要な部材接合部など、構造的に重要な箇所で採用されます。
柴田工業のような鉄骨・仮設鍛冶工事会社では、現場でのトルシアボルト施工の品質管理が極めて重要です。締付けトルクが不足すれば接合力が低下し、過度であれば材料破断のリスクがあるため、厳密な管理体制が必要です。
施工の基本フロー
トルシアボルト施工は以下のステップで進行します。
- ボルト穴のクリーニング:接合部の清掃、塵埃や油分の除去
- ボルト・ナット・ワッシャーの確認:JIS B 1186(高力ボルト)に準拠した部材の検査
- トルク締付け:トルクレンチを用いて設計値まで段階的に締付け
- シアピン挿入:シアピンをボルト穴に挿入し、ナット回転防止
- 検査・記録:トルク管理記録を作成、締付け実績を確認
トルク値の決定と品質管理
トルシアボルトのトルク値は、ボルト径、鋼種(F8T、F10T等)、使用部材の強度に基づいて決定されます。一般的にM22高力ボルトの場合、1100~1300Nmの範囲が標準です。
品質管理では、トルシアボルト管理表を作成し、各接合部のトルク締付け実績、シアピン挿入完了を記録します。また、施工管理技士による巡視確認も必須です。
鉄骨工事における位置付け
トルシアボルト施工は、鉄骨工事の中でも「接合工」として位置付けられます。鉄骨工事全体の施工精度、工期、安全性に直結するため、事前の技能講習、施工計画書の策定、現場での実行管理が重要です。
シアピン確認の重要性
トルシアボルトの最大の特徴は、シアピン確認にあります。ナットが規定トルクで締付けられると、その締付力でシアピン穴がボルト軸と一直線上に開きます。シアピンを挿入することで、以後のナット緩み防止が機械的に確保されます。
シアピン未挿入は、外観では判断困難なため、施工者による「意識的な確認」が欠かせません。柴田工業では、シアピン挿入確認シートを用いて、各ボルトの挿入状況を一覧管理しています。
トルク値バラツキ対策
実際の現場では、気温、ボルト材質のばらつき、施工者の経験度合いなどにより、同じレンチ操作でもトルク値が異なる場合があります。このため、月1回以上の定期校正(トルクレンチの精度確認)、異なる施工者による二重チェック、気温低下時の追加締付けなどの対策が講じられます。
柴田工業の現場から
トルシアボルト施工は鉄骨工事の要です。シアピン穴の位置がズレていないか、挿入が完全か、毎回目視で確認しています。ここが甘いと後々の不具合につながるので、厳しく管理しています。