鋼材検査受入に関する建設現場イメージ
Steel Member Inspection and Acceptance

鋼材検査受入

Steel Member Inspection and Acceptance

現場用語
こうざいけんさじゅにゅう

鋼材検査受入の重要性

鋼材検査受入(受け入れ検査)は、建設現場に納入された鋼材が、設計仕様書、JIS規格、注文書の条件を満たしているか否かを判定する重要な品質管理業務です。柴田工業のような鉄骨工事会社では、設計図に基づいて鋼材を調達し、現場到着時に詳細な検査を実施することで、後工程の鉄骨組立て設計、加工、溶接等の品質基盤を確保します。

鋼材の規格外品や欠陥品が現場で発見された場合、納期遅延、工事遅延、場合によっては工事中断に至る可能性があります。そのため、事前の十分な検査、製造業者との連携、検査記録の適切な管理が、現場での信頼性確保につながります。

鋼材検査受入の検査項目

鋼材検査受入では、以下の項目を総合的に検査します。

  • 外観検査:サビ、キズ、凹み、溶接ビード(製造時溶接部)の異常がないか確認します。許容される傷の深さ、大きさは、JIS規格、発注仕様書に明記されています。
  • 寸法検査:H形鋼のフランジ幅、ウェブ高さ、板厚等の寸法を測定し、JIS規格の許容差範囲内であることを確認します。
  • 重量確認:納入鋼材の総重量と注文書、納品書の値が一致しているか確認します。重量差異は、過納・過少納の判定に用いられます。
  • 材質証明書確認:製造メーカーが発行する材質証明書(ミルシート)から、材料の強度等級(SS400、SM490等)、化学成分、機械的性質等を確認します。
  • 数量確認:注文した部材(例:H形鋼 H-300×300×10×15)の本数、長さが正確であるか確認します。
  • 製造マーク確認:鋼材に刻印される製造メーカー、ロット番号、規格記号を確認し、発注仕様との一致を確認します。

JIS規格と受入検査基準

日本の鉄骨工事で使用される鋼材は、主に以下のJIS規格に準拠しています。

  • JIS G 3101:一般構造用圧延鋼材(SS400、SS490等)。一般的な鉄骨に使用。
  • JIS G 3106:建築構造用圧延鋼材(SM400、SM490、SM520等)。建築用に最適化。
  • JIS G 3136:溶接構造用圧延鋼材。溶接接合が主の用途向け。

受入検査では、これらの規格の寸法許容差、強度等級、化学成分範囲を確認し、設計計算に使用した強度値と製造品の強度が一致することを確認します。材質証明書が無い、または規格外の場合は、納入業者に返品・交換を指示します。

検査記録と品質トレーサビリティ

受入検査の実施内容、検査日時、検査者氏名、検査結果を記録しておくことが、品質管理上、また将来的なトラブル対応上、重要です。鋼材にはロット番号、製造年月日が刻印されており、これを記録することで、万一の問題発生時に、該当する鋼材を特定し、同ロット品の他工事への影響を把握することができます。

鋼材在庫管理鋼材製作管理と連携して、受入から加工、現場組立てまでの全段階で、品質トレーサビリティ(追跡可能性)を確保することが、柴田工業のような専門企業の競争力強化につながります。

サビ・表面劣化への対応と防食管理

建設現場に納入される鋼材は、製造工場から現場までの輸送過程で、雨、湿度、塩分(海岸近傍)等の影響を受け、表面にサビが発生する可能性があります。受入検査では、許容されるサビの程度(JIS H 8502に基づく表面粗さ区分 Sa2.5~3等)を判定します。

軽度のサビは、現場でワイヤブラシやサンダーで除去することができますが、深さが2mm以上に達する場合は、部材の耐荷力低下につながるため、設計者の指示を仰ぎ、部材交換の判断を行います。特に、塩害地域(海岸から1km以内等)では、塩分付着サビの確認が重要で、受入時に部材表面を洗浄・検査することが望ましいです。

加えて、製造工場での防錆塗装(例:赤錆焼き、油塗装)の状態を確認し、現場への輸送、在庫保管中の追加防食措置を検討します。柴田工業では、受入検査の結果に基づいて、さらなるサビ除去、防錆塗装の補修が必要か否かを判定し、鋼材防食管理の一環として対応しています。

材質証明書確認
ミルシートから強度等級、化学成分、機械的性質を確認
外観・寸法検査
サビ、キズ、寸法を検査し、JIS規格・発注仕様との一致を確認
品質トレーサビリティ
ロット番号、製造年月日等を記録し、問題発生時の追跡を可能に

柴田工業の現場から

石堂 洋三
石堂 洋三 現場管理・積算・調達

鋼材の受入検査は、後工程の品質を決める最初の関門です。材質証明書の確認、外観検査を厳密に行うことで、加工・溶接段階でのトラブルを事前に防止できます。納入業者との信頼関係を築きながら、検査体制を強化し続けることが重要です。

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