シアコネクタに関する建設現場イメージ
Shear Connector

シアコネクタ

Shear Connector

工事の種類
しあこねくた

シアコネクタとは

シアコネクタ(Shear Connector)は、鋼梁上部に溶接または機械的に固定され、打設したコンクリート床版との間でせん断力を伝達する金属部材です。合成構造(鋼とコンクリートの複合構造)において、両材料が一体で作用するために必要不可欠な接合部品です。

建築物の構造効率を高め、スパンの拡大や荷重への耐力向上を実現します。最も一般的な形式はスタッド型(stud bolt)で、H形鋼の上フランジに円柱形ボルト状の部材をスタッド溶接により取り付けます。

主な種類と特性

スタッド型シアコネクタ
直径13~22mm、高さ75~150mmの鋼製スタッドボルトを使用します。最も広く採用され、施工性と耐力性能のバランスが優れています。

リブ型シアコネクタ
鋼梁フランジに溶接したリブ(肋材)でせん断力を伝達する形式。デッキプレート上への取付が不要な場合に採用されます。

パイプ型・L型シアコネクタ
特殊な形状で、大きなせん断力や引抜き力が必要な場合に設計されます。

設計・施工管理のポイント

シアコネクタの配置間隔・本数は、梁のせん断力分布とコンクリート圧縮強度に基づき構造計算で決定します。施工時はスタッド溶接品質の確保が重要で、JIS規格に基づいた検査(引張試験・曲げ試験)が実施されます。

デッキプレートとの干渉、かぶり厚さ確保、コンクリート圧縮強度の発現確認が、設計図通りの耐力を発揮させるための必須条件です。

合成梁設計におけるシアコネクタの役割

シアコネクタがなければ、鋼梁とコンクリート床版は独立した部材として機能し、全体の曲げ剛性と耐力が大きく低下します。シアコネクタにより両者が完全合成状態(full composite action)となることで、以下の効果が得られます:
・梁の中立軸がコンクリート床版側に移動し、圧縮応力を効率的に受ける
・全体の曲げ剛性が30~50%向上
・等スパン梁の場合、必要鋼材量を15~25%削減可能

ただし完全合成とするには、シアコネクタ本数が構造計算値を満足する必要があります。本数不足の場合は「部分合成」となり、耐力・剛性が低下します。施工時の本数漏れや配置誤りは、重大な安全問題につながるため、工程確認書で厳密に管理されます。

主な機能
鋼梁とコンクリート床版間のせん断力伝達、合成梁の一体化
最適配置間隔
梁のせん断力分布に応じて100~300mm(構造計算で決定)
施工検査
JIS B 1190に基づいた溶接品質試験(引張・曲げ・超音波探傷)

柴田工業の現場から

佐藤世人
佐藤世人 工事部

デッキプレート上のスタッド溶接は視認性が悪く、漏れが発生しやすい。デッキ貫通部や段差部は特に注意が必要です。溶接後の全数検査チェックリストを現場に配置して、施工者と検査者の意識共有を図っています。

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