
陸設組立仕組み
Ground Assembly Method
陸設組立仕組みとは
陸設組立仕組み(陸設組立工法)は、建方に先立ち、地上で複数の鉄骨部材を溶接・組み立てて大型ユニットを完成させ、これを現場で吊上げ・設置する工法です。従来の在来工法では、現場で部材を1本1本設置・接合していくのに対し、陸設組立仕組みでは工場や敷地内で品質管理された環境で組み立てることで、施工精度の向上と工期短縮を実現します。大型建築物や複雑な架構では、特に有効な手法です。
陸設組立の利点
陸設組立仕組みの最大の利点は、品質管理が容易であることです。地上での組立では、溶接・検査・調整が統制された環境で行え、超音波探傷検査などの各種検査も実施しやすくなります。また、気象条件に左右されず施工が進められるため、雨天時の中断リスクが低減されます。
工期短縮の面でも、クレーンでの大型ユニット吊上げは、在来工法の多数回の小型部材吊上げと比較して大幅に工数を削減できます。特に、免震工事や複層構造の建物では、陸設組立による事前調整が後続工程の精度確保に直結します。
陸設組立の設計・計画
陸設組立仕組みを採用する場合、陸設設計が極めて重要です。どの部材をいつ、どのような寸法・重量のユニットとして組み立てるかは、クレーンの能力、敷地内の作業スペース、運搬経路などを総合的に検討して決定されます。特に、重量が大きいユニットは、揚重中の安全性確保や部材応力の再検討が必要となります。
施工図には、ユニット分割線、溶接順序、仮ボルト・本ボルトの施工手順が詳細に示されます。また、地上組立時の支保・固定方法も、安全性と精度の両面から慎重に設計されます。
陸設組立と現場建方
地上での組立完了後、検査に合格したユニットは、クレーンで吊上げられ、鉄骨組立下地で出された墨に基づいて設置されます。既に溶接済みのユニット同士は、現場でボルト接合されることが多く、この場合の高力ボルト施工は精密度が要求されます。また、ユニット間の隙間調整や品質検査も丁寧に行われ、全体の形状精度を確保します。
陸設組立の課題と対策
陸設組立仕組みは、敷地内スペースの確保が課題となることがあります。都市部など用地が限定される場合は、工場での先行組立や、複数回に分けた搬入・組立が検討されます。また、大型ユニット吊上げ時の風対策、支持・固定の確実性も施工計画の重要項目です。施工管理技士は、施工計画書で詳細な手順を示し、現場での安全性と品質を確保する必要があります。
陸設組立設計における応力再検討と安全性
陸設組立仕組みでは、地上での組立段階における応力状態が、完成後の応力状態と異なることに注意が必要です。特に、大型ユニットを吊上げる際、ユニット内の応力分布が設計時の仮定と異なる可能性があります。例えば、不等沈下や支持条件の変化により、想定外の曲げモーメントが発生することがあります。こうした課題に対処するため、陸設設計段階で、組立時・吊上げ時・設置後の各段階における応力解析を行うことが標準となっています。また、吊上げ装置(リフト位置、ワイヤの本数と位置)の選定も、ユニットの重心と強度を考慮して詳細に計画される必要があります。さらに、吊上げ中の水平揺れを抑制するため、ガイドワイヤやスタビライザーの配置も検討対象となり、施工技術者の高度な知見が求められる領域です。
柴田工業の現場から
陸設組立は大型物件で特に有効な工法です。ただし、計画段階での詳細な検討がなければ、逆に工期延長やコスト増になることもあります。当社でも、設計者と現場が一体となって、陸設計画を綿密に詰めることを心がけています。