
クローラークレーン
Crawler Crane
クローラークレーンとは
クローラークレーンは、左右の履帯(クローラ、いわゆるキャタピラ)で走行・旋回する移動式クレーンの一種です。建設現場ではクレーンの中でも代表的な機種で、大きな吊り能力を持つものが多く、大規模な鉄骨工事や重量物の揚重に使われます。
履帯で荷重を広い面積に分散するため、タイヤ式に比べて接地圧が小さく、不整地や多少軟弱な地盤でも据え付けやすいのが特長です。また、条件によっては荷を吊ったまま走行できる機種もあります(可否は機種と取扱説明書の定めによります)。一方で、公道を自走することはできず、現場への搬入にはトレーラーでの分解輸送と現場での組立てが必要になります。
特徴と使い分け
同じ移動式クレーンでも、ラフテレーンクレーンやオールテレーンクレーンはタイヤ式で機動性に優れ、短期の作業に向きます。これに対しクローラークレーンは、組立てに手間と日数がかかる反面、長期間・大吊り能力・不整地という条件で力を発揮します。ブームの長さや補助ジブの組合せで作業半径・揚程が変わるため、建方計画の段階で定格総荷重表を確認し、機種と配置を決めます。
タイヤ式のようなアウトリガーの張り出しは基本的に不要ですが、その代わりに機体を支える地盤の養生が重要です。鉄板敷きや敷き砂利などで地耐力を確保し、必要に応じて地盤改良を検討します。
安全管理上の要点
クローラークレーンの災害で特に注意すべきは、地盤の沈下や支持力不足による転倒、定格荷重を超える吊り、そして吊り荷・ブーム下への立入りです。作業前に作業範囲と地盤を確認し、クレーン荷重確認を行います。吊り上げ荷重が一定以上のクレーンの運転には、クレーン・デリック運転士免許などの資格が必要で、吊り荷を掛ける作業者には玉掛けの資格が求められます。作業中は立入禁止区画を明示し、合図者を定めて、安全管理を徹底します。
また、架空線や周辺構造物との離隔、風速などの気象条件も作業可否の判断材料です。KY活動で当日の作業手順と危険箇所を全員で共有しましょう。
据付け地盤の検討がすべての出発点
クローラークレーンは接地圧が小さいといっても、大型機では自重と吊り荷を合わせた荷重が履帯の一部に集中して作用します。特にブームを張り出した方向の履帯端部には大きな荷重がかかるため、地盤の支持力を確認せずに据え付けると、傾きや転倒につながります。事前に地盤調査の資料を確認し、埋設物(配管・空洞・埋戻し部)の有無を調べたうえで、敷鉄板の枚数・配置を決めます。雨天後は地盤状態が変わるので、作業開始前の再確認が欠かせません。
また、組立て・解体時はブームの取付け・取外しで不安定になりやすく、事故が起きやすい工程です。作業計画を作成し、作業指揮者を定めて行います。施工計画書(施工計画書)にこれらを盛り込み、関係者へ周知することが重要です。
柴田工業の現場から
クローラーは頼もしい反面、足元の地盤がすべてです。敷鉄板の計画と作業前の確認は、毎回必ず手を抜かないようにしています。