
金鏝押え
Steel Trowel Finishing
金鏝押えとは
金鏝押え(かなごておさえ)とは、打ち込んだコンクリートやモルタルの表面を、鋼製の鏝(金鏝)で押さえて平滑かつ緻密に仕上げる作業です。床スラブの仕上げで広く行われ、仕上げ材を張る下地としての平坦さや、表面の強度・耐摩耗性を確保する目的があります。
一般的な流れは、打設後に振動締固めを行い、表面をトンボなどで均し、木鏝で荒押えをした後、水が引いて表面が適度に締まってから金鏝で押さえます。コンクリート仕上げの最終段階にあたり、押えの時期が早すぎると表面に水が浮いて弱くなり、遅すぎると十分に平滑にならず、鏝跡が残ったり、ひび割れの原因となったりします。
作業のポイント
最も重要なのはタイミングの見極めです。表面の光沢(ブリーディング水)が消え、指で押しても跡がわずかにつく程度になった頃が目安とされますが、気温、湿度、風、コンクリートの調合によって大きく変わります。特に暑中は乾燥が速く、寒中は遅れやすいため、現場の状況を見て判断します。
押える回数は、仕上げの要求品質に応じて複数回行い、回を重ねるごとに表面が締まります。ただし、過度な押えは表面の水分を引き出し、粉をふく原因になるため、必要以上に行わないことが大切です。ブリーディングが多い場合の対処は泌水対策の項も参考にしてください。
鉄骨造・デッキスラブでの留意点
鉄骨造では、デッキプレートを型枠兼用としてコンクリートを打設する床が多く、デッキ工事の精度が仕上がりの平坦さに影響します。たわみが大きいと、設計厚さを確保するために打設量が増えたり、表面の高さが不均一になったりします。
また、押えた後は、コンクリート養生を適切に行い、急激な乾燥によるひび割れを防ぎます。ひび割れ制御の観点からも、仕上げと養生は一連の作業として計画することが重要です。仕上げの平坦さは、後工程のセルフレベリング材や仕上げ材の施工にも関わります。
押えムラと表面欠陥を防ぐには
金鏝押えで起こりやすい不具合には、鏝むら、表面の粉ふき、ブリスター(表面に浮く小さな膨れ)、プラスチック収縮ひび割れなどがあります。多くは、押えの時期の誤りや、表面が乾きすぎた状態での作業、過度な押えが原因とされます。
対策としては、打設計画の段階で作業人員と押えの開始時期を想定し、広い面積では打設順と仕上げ順を揃えること、風や直射日光が強い日には飛散防止シートや散水・膜養生剤で表面の急乾燥を抑えることが挙げられます。仕上げの品質は、表面欠陥の予防と対応の考え方とあわせて、事前に確認しておくと安心です。
柴田工業の現場から
押えのタイミングは、天気と風で毎回違います。数値だけに頼らず、表面の様子を見て判断する職人さんの目はさすがだと感じます。