抱え支持管理に関する建設現場イメージ
Temporary Cantilever Support Management

抱え支持管理

Temporary Cantilever Support Management

管理の5本柱
かかえしじかんり

抱え支持管理とは

抱え支持管理とは、建設工事進捗中に未竣工の躯体や部材が自立できない状態にあるとき、仮設支保工で一時的に荷重を支える必要が生じた場合、その支持状態の安全性・継手の状態・調整を継続的に監視・管理する施工管理業務です。

特に鉄骨造の建設では、面震工事による大規模梁の取り換えや、大スパン部材の組立時に抱え支持が多用されます。仮設支保工の不具合は落下災害やタイムリーな竣工延期につながるため、細目な管理が必須です。

抱え支持の設計と計画

抱え支持を行う際には、事前の設計計画が重要です。

  • 荷重計算:支持対象の部材重量・施工段階での付加荷重・安全係数を加味した設計荷重を算定
  • 支保工選定:スコア・ジャッキ・型枠支保工など、荷重量と施工期間に応じた工法を選択
  • 支持継手設計:支持部材と被支持部材の接合部を精密に設計し、応力集中を回避
  • 調整計画:支持高さ調整、応力再配分のタイミングを工程に組み込む

管理項目と監視方法

抱え支持管理では以下の項目を継続的に監視します。

  • 沈下量測定:支持点の沈下を定期的に測定(日単位~数日単位)し、事前予測との比較検証
  • 継手状態確認:支持継手のボルト緩み、トラス部材の変形、ピン穴の異常を定期点検
  • 支保工構材の確認支保工システムの基礎沈下、部材のたわみ、溶接部のひび割れを目視・計測で検査
  • 周辺部材への影響:抱え支持による応力が周囲の躯体や既設部材に異常をもたらしていないか確認
  • ジャッキ油圧管理:ジャッキを使用する場合、油圧値と沈下量の関係を把握し、適切な調整を実施

調整と段階的な荷重移行

長期にわたる抱え支持では、支持継手への応力集中を軽減するため、段階的な荷重移行が行われます。

  • 段階的支持転換:部材の下階躯体が完成したら、支持を仮設支保工から本体躯体へ段階的に移行
  • ジャッキ調整:加圧ジャッキを使用する場合、日ごと微調整により応力を徐々に移行させる
  • 記録管理:各段階の沈下量、ジャッキ油圧値、調整日時を施工管理日誌に記録し、後の検証資料とする

面震工事における抱え支持の実務課題

面震工事(既設躯体の改修・置き換え)では、新旧部材の交代時に特に複雑な抱え支持が必要になります。

既設躯体の重量支持:既設梁を撤去する前に、その上に構築されている躯体や設備の重量全体を周辺柱や仮設支保工で抱え支持する必要があります。計算ミスや支持点不足は既設躯体の想定外な応力集中を招き、既設部材の破損や沈下につながります。

新旧部材の段階的交代:既設梁を段階的に新梁へ交代させる際、複数の支持点を協調させながら荷重を移行させます。支持転換のタイミングや速度が適切でないと、新旧部材間に有害な二次応力が発生し、最悪の場合倒壊リスクさえ生じます。

トレーサビリティーと安全教育:抱え支持は仮設工の中でも危険度が高く、作業者の誤操作や管理不備が直結して災害に結びつきます。仮設鍛冶安全教育の対象として、支保工の役割・限界・調整方法を全作業者に周知させることが重要です。

監視項目
沈下量測定、継手状態確認、部材変形検査、ジャッキ油圧管理
段階的移行
仮設支保工から本体躯体への荷重を段階的に転換し、応力集中を回避
管理周期
日単位~数日単位での定期測定・記録、異常兆候への即応体制

柴田工業の現場から

上沢直二
上沢直二 事務・現場兼務

抱え支持管理は数字がシビアです。沈下量が予測と異なれば、その原因を究明し対応方法を判断する必要があります。设計図面だけ作ってあとは現場任せという態度は許されません。事務側も工程・安全・品質の統合情報を常時把握し、現場と密にコミュニケーションを取ることが重要です。

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