解体増解管理に関する建設現場イメージ
Demolition & Additional Assembly Management

解体増解管理

Demolition & Additional Assembly Management

管理の5本柱
かいたいぞうかいかんり

解体増解管理とは

解体増解管理(かいたいぞうかいかんり)は、既存建築物の一部をリニューアル・増築する際に、既存部分の解体工事と新規増築部分の構造体組立、既存部との接合工事を統合的に計画・管理する施工管理体系です。建て替えではなく「部分的な改修・増築」という複雑な施工環境において、安全性・品質・工程を同時に管理する必要があります。

特に都市部での建物改修は、既存構造体の一部保存、既存部との複雑な接合、周辺への影響制限など、多くの制約がある中での工事になるため、「解体」と「新規構築」の両者を緻密に調整することが重要です。

解体増解管理の対象となる工事

解体増解管理が適用される代表的な工事類型は以下の通りです:

  • 部分的な増床・増築 — 既存建物の一部階の床面積を拡張する場合、既存部材の一部撤去と新規梁・柱の組立を同時に実施
  • スキップフロアの新設 — 既存の階高内に新たな中階層を挿入する場合、既存梁の切断・補強と新規梁の組立が必要
  • 耐震改修に伴う補強 — 既存柱・梁の一部撤去、ブレース・耐震壁の新設、既存部との接合工事
  • 開口部拡張に伴う補強 — 既存壁・梁に大型開口を新設する場合、周辺部材の削除と補強梁の新設
  • 建物用途変更に伴う改修 — 既存間仕切りの撤去、新規支持構造の追加

解体増解管理の主要な管理項目

解体増解管理では、以下のような項目が統合的に管理されます:

1. 既存部分の詳細調査

2. 段階的な解体計画

  • 既存構造体の荷重伝達経路の把握
  • 解体順序の設定(上階から下階へ、周辺荷重の管理を考慮)
  • 部分的な仮設支保工の検討
  • 既存部材の再利用可能性の評価

3. 新規構造体と既存部との接合設計

4. 施工順序の最適化

  • 既存部の解体・撤去と新規部材の搬入・組立のタイミング調整
  • 建物使用継続部分と工事部分の分離・防護
  • 既存部の下地補強工事と新規接合工事の段階管理

5. 安全管理

  • 仮設工事リスク評価(既存躯体の部分的な耐力低下時の安全性)
  • 既存部の損傷・劣化の進行防止
  • 周辺への落下物・騒音対策

既存部と新規部の接合工法の選定

解体増解工事における最大の技術的課題は、既存部と新規部の「接合」です。特に鉄骨造の場合、既存鋼構造と新規梁の接合方法の選定が構造安全性と施工可能性に直結します。

  • 既存鋼梁への新規梁の取付け — 既存梁の側面・下面に新規梁をボルト接合する場合、既存梁への穴あけ加工、ボルト穴の位置精度管理が必須。摩擦接合では既存部材面の清浄度確保が困難(施工中のため清浄性が劣化)な場合、事前の表面処理が必要です
  • 既存RCへの新規鋼部材の固定後施工アンカー(ケミカルアンカー、拡張アンカーなど)の選定、圧縮強度試験による既存躯体の適性確認が重要
  • 既存梁への新規梁の溶接接合 — 既存溶接部の再加熱による脆化、既存部の切断に伴う応力集中を考慮した補強設計が必要
実施フェーズ
基本設計段階での既存部調査から、詳細設計・施工計画・工事実施まで一貫管理
主要な課題
既存部と新規部の接合、段階的解体計画、建物使用継続部の保護
必須の技術検討
既存躯体強度確認試験、後施工アンカー設計、複雑な仮設支保工計画

柴田工業の現場から

佐藤世人
佐藤世人 工事部

解体増解工事は、新規建設よりもはるかに複雑で予測困難な部分が多いです。既存部の隠れた損傷が見つかることもあり、柔軟な現場判断と即座の設計対応が必要になります。関係者との綿密な情報共有が成功の鍵です。

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