
かぶり厚さ計測
Concrete Cover Thickness Measurement
かぶり厚さ計測の目的
かぶり厚さ計測とは、コンクリート構造物において、鉄筋の表面からコンクリート表面までの距離(かぶり厚さ)を計測し、設計値との適合性を確認する品質管理業務です。鉄筋の腐食防止、構造体の耐久性確保、火災時の安全性維持など、多くの重要な機能を担っています。
設計図では構造種別、環境条件、鉄筋径に応じて適切なかぶり厚さが指定されます。柴田工業では鉄骨組立管理と同様に、鉄筋工事段階での厳格な計測を実施し、後工程であるコンクリート打設前の確認を行います。
計測方法と機器
かぶり厚さ計測には複数の方法があります:
- 電磁波レーダー方式:非破壊で内部の鉄筋位置を検出。最も一般的で、建設現場での活用度が高い
- 超音波方式:コンクリート表面の密度変化を検出して厚さを推定
- 破壊検査:一部コンクリートを削掘して直接計測。精度が高いが施工への影響あり
現場では携帯型かぶり厚さ測定器を使用します。一般的には± 2mm程度の精度を持つ機器が用いられ、品質管理基準に沿って複数地点で計測します。
設計基準値と管理範囲
建築基準法およびJASS5(日本建築学会施工指針)では、環境条件に応じて以下のようなかぶり厚さが規定されています:
- 屋内、外壁直接雨がかからない:25mm以上
- 屋外、外壁直接雨がかかる:40mm以上
- 海塩害地域:50mm以上
- 高強度鉄筋使用時:増加が必要な場合あり
計測結果が設計値より小さい場合は、不合格判定となり、当該部位の補修や追加検査が必要です。設計値より大きい場合は、通常は許容範囲として扱われますが、過度な場合は構造体としての効率性低下の懸念から検討対象になります。
計測の実施タイミング
かぶり厚さ計測は以下のタイミングで実施されます:
- 鉄筋配置後:コンクリート打設前に、鉄筋配置が設計通りに施工されたか確認
- コンクリート硬化後:通常、材齢28日経過後に非破壊検査で確認
- 補修・改修工事時:既存構造物の健全性評価の一部として実施
かぶり厚さ不足時の対策と補修工法
現場でかぶり厚さが設計値より不足している場合、品質定着管理の観点から早期対応が必要です。軽微な不足(5mm未満)の場合、追加の非破壊検査や構造計算上の検証により許容可能性を判断します。大きな不足の場合は、プライマー塗装、防食剤塗布、または全面補強工法が適用されます。
特に海塩害地域や凍害が懸念される環境では、わずかなかぶり厚さ不足が長期的には鉄筋腐食につながるため、補修工事の実施が避けられません。柴田工業では鉄筋工事段階での適切なクサビ・スグベース配置や、スペーサーの確実な設置により、かぶり厚さの施工精度向上に取り組んでいます。
柴田工業の現場から
かぶり厚さ計測は品質検査の重要なチェックポイントです。積算時には材工分離での原価管理も考慮し、不合格時の補修費用も見込んでおく必要があります。