かぶり厚さ管理に関する建設現場イメージ
Cover Thickness Management

かぶり厚さ管理

Cover Thickness Management

管理の5本柱
かぶりあつさかんり

かぶり厚さ管理とは

かぶり厚さ管理は、建築物のコンクリート構造において、鉄筋がコンクリート表面からどの程度の深さに埋め込まれているかを管理する重要な業務です。かぶり厚さが適切でないと、鉄筋の腐食が進みやすくなり、構造物の耐久性が低下します。また、火災時の加熱からコンクリートを保護する役割も果たすため、防火性確保にも不可欠です。

コンクリート標準示方書やJISでは、環境条件と部材種別に応じてかぶり厚さの最小値が定められています。一般的には、屋内・屋外、水分の影響の程度などにより異なり、通常20~50mm程度の範囲で設定されます。施工現場ではこの規定値を下回らないよう、スペーサーなどの支持材を用いて鉄筋の位置を管理します。

かぶり厚さ管理の方法

かぶり厚さ管理は複数の段階で実施されます。第一段階は型枠製作・配置時で、スペーサーの種類・位置・間隔を正確に計画します。スペーサーは鉄筋と型枠の間に設置され、所定のかぶり厚さを確保します。

第二段階は鉄筋配筋時で、配筋図に基づいて鉄筋の位置を確認し、スペーサーが正しく機能しているか、また鉄筋同士の接触がないかを確認します。特に柱や梁などの主要部材では、複数層の鉄筋がある場合が多く、重層管理が必要になります。

第三段階はコンクリート打設前の最終確認で、鉄筋・スペーサーの位置がずれていないことを確認します。打設中も鉄筋の浮き上がりがないか現場監督が目視で確認します。

第四段階はコンクリート硬化後の検査で、超音波装置や貫通型カバーメーターなどの機器を用いて、実際のかぶり厚さを測定します。表面欠陥防止とあわせて実施されることが多いです。

かぶり厚さ規定値の設定

かぶり厚さの規定値は、以下の要因に基づいて設定されます。第一に環境条件です。屋内環境では小さく(20mm程度)、海岸近くなど塩分環境では大きく(50mm以上)設定されます。第二に部材種別で、柱・梁・床版など部材の種類により異なります。第三に耐火要件で、防火地域では火熱からの保護が必要になり、かぶり厚さが増します。

これらの条件は設計図書に明記され、施工者はこれに従って管理します。不明な点は設計者に確認し、記録として残すことが重要です。変更がある場合は、設計変更申請手続きを通じて正式に認可を得る必要があります。

施工者の責任と検査

かぶり厚さ管理は施工者の品質管理上の重要な責務です。不適切な管理により、竣工後に鉄筋腐食やコンクリート剥離が発生した場合、構造物の安全性に関わる重大な問題となります。

監理者(設計者)による検査では、目視確認と機器測定の両方が実施されます。不適合が発見された場合、原因分析と是正措置が必要になります。例えば、かぶり厚さが不足していた場合、表面被覆や表面補強などの追加対策が講じられることもあります。これは費用と工期の増加につながるため、事前の予防管理が最善です。

スペーサーの種類と選定

スペーサーには複数の種類があります。プラスチック製スペーサーは軽量で経済的ですが、耐荷重が限定されます。セラミック製スペーサーは耐火性に優れ、高温環境に適しています。コンクリート製スペーサーは堅牢で大型部材に向いています。鉄筋製スペーサーは強度が高く、大型梁などで使用されます。選定時には、かぶり厚さ、部材の大きさ、施工方法、コストなどを総合的に判断する必要があります。また、スペーサーの配置間隔も重要で、通常1~2m間隔で配置され、鉄筋が浮き上がることなく均等に支持されるよう計画されます。

管理時期
型枠製作→配筋時→打設前確認→打設中監視→硬化後検査
規定値
環境・部材種別・耐火要件により20~50mm程度
主要支持材
プラスチック・セラミック・コンクリート・鉄筋製スペーサー

柴田工業の現場から

佐藤世人
佐藤世人 工事部

かぶり厚さは現場では見落とされやすい項目ですが、後々の耐久性に直結します。配筋検査時に特に注意して、スペーサーがしっかり機能しているか確認することが大事です。写真記録も忘れずに。

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