
補材ずり
Support Member Bearing Pad Installation
補材ずりとは
補材ずり(ほざいずり)は、鉄骨造建築物において梁や桁がコンクリート柱・壁の上に支持される部位に取付ける補強用の鋼板です。上部構造の荷重をコンクリート基礎に安全かつ効率的に伝達するため、支持面の圧力を分散させることが目的です。
別名として「補材」「ベアリングプレート」とも呼ばれ、ベースプレートや鋼管柱定着設計と関連する仮設・本設鋼構造部材の一種です。
補材ずりの機能と役割
鉄骨梁がRC梁上に支持される場合、接触面積が限定されると局所的な圧力集中が発生します。補材ずりはこの圧力を分散させ、コンクリートの許容圧縮応力度を超えないよう調整する補強部材です。
主な機能として以下が挙げられます:
- 荷重分散:集中荷重を面圧として均等に伝達
- 不同沈下防止:支持面全体に荷重を分布させることで局所的沈下を防止
- 接触面の保護:鋼と異なる材質との接触に伴う摩耗・損傷を軽減
- 調整機能:高さ調整材くさび水平矢板と併用して施工精度を確保
設計・施工における留意点
補材ずりの選定には、支持部のコンクリート強度・梁の反力値・支持面積を考慮した設計が必須です。モルタル設計や無収縮モルタルと組み合わせることで、接触面の密実性と支持力を確保します。
仮設段階では、仮設支保工設計に基づいて補材ずりの配置・寸法が決定されます。本設化時には、鉄骨組立設計に反映され、施工図で詳細が指示されます。
施工プロセス
補材ずりの取付けは、支持面の清掃・レベル出し→補材ずりの設置→無収縮モルタルの充填という順序で実施されます。立て入り設計に基づく厳密な寸法管理が求められます。
補材ずりと圧力分散計算
補材ずりの必要面積は、梁の反力をコンクリートの許容圧縮応力度で除して算出します。一般的なRC造の許容圧縮応力度は設計基準強度Fcの1/3~1/4程度であり、補材ずりの選定時にはこれを満足する面積を確保する必要があります。
例えば、反力が200kNでコンクリート許容応力度が10N/mm²の場合、必要面積は20,000mm²となります。これに基づいて補材ずりの厚さと面積を決定し、鋼構造設計図に記載します。
無収縮モルタルとの併用
補材ずりと支持面の間には、必ず無収縮モルタルを充填します。これにより、微細なコンクリート表面の凹凸を埋め、確実な面圧伝達を実現します。モルタルの厚さは通常5~10mm程度に管理され、施工後の養生期間を経て本設荷重を受け入れる体制が整えられます。
柴田工業の現場から
補材ずりの厚さ・面積を誤ると、コンクリートの押し潰れや不同沈下につながります。設計図の反力値を必ず確認し、無収縮モルタルの充填具合を現場で念入りにチェックしています。