無収縮モルタルに関する建設現場イメージ
Non-Shrinkage Mortar

無収縮モルタル

Non-Shrinkage Mortar

工事の種類
むしゅうしゅくもるたる

無収縮モルタルの特性

無収縮モルタルは、硬化過程で体積収縮が起こらないように配合・製造されたモルタルです。通常のセメントモルタルは硬化時に3~5%の体積収縮が発生しますが、無収縮モルタルは膨張剤を含有させることで、この収縮を補償し、ほぼゼロの体積変化に抑えます。鉄骨造の柱底均しモルタル、機械基礎、精密機器の設置基盤など、寸法精度が重要な箇所での使用が標準化されています。

材料成分と製造方法

無収縮モルタルの主要成分は、ポルトランドセメント、骨材(砂)、膨張剤(通常は高炭酸塩系や酸化カルシウム系)です。膨張剤により、セメント水和の過程で微細なひび割れ補償を行い、全体的な収縮を相殺します。市場では粉体製品として供給されており、現場で水と混練するプレミックス型と、セメント・骨材・膨張剤を別々に調合する現場配合型がありますが、品質の一貫性を保つためプレミックス型の採用が推奨されます。JIS A 6908に規定される圧縮強度、膨張量、流動性などの品質基準を満たす製品選定が重要です。

施工上の注意点

無収縮モルタルの施工では、普通モルタルと異なる特性に注意が必要です。膨張剤を含むため、硬化中に若干の膨張が起こり、型枠や周辺構造に圧力がかかる場合があります。立入直し完了後、ベースプレート周囲を適切に型枠で保護し、モルタルが自由に膨張できる環境を整える必要があります。養生期間は通常14日以上とし、早期の機械的負荷を避けることが重要です。特に冬季施工の場合は、最低気温が5°C以上であることを確認してから施工を開始してください。

膨張メカニズムと品質管理

無収縮モルタルの膨張は、膨張剤がセメント水和物と反応して、キャルシウムアルミノ硫酸塩(エットリンガイト)などの膨張性鉱物を生成することで発生します。この膨張率はJIS A 6908では0~0.5%に管理されており、セメント量、膨張剤量、水セメント比、養生温度などの要因に影響されます。品質管理では、膨張量試験を1バッチごとに実施し、規格値内に収まっていることを確認することが必須です。過度な膨張は周囲構造に悪影響を及ぼし、不十分な膨張は収縮を完全に補償できず、目的を達成できません。また、膨張剤を含むモルタルは強度発現が遅れるため、初期強度よりも長期強度を重視した配合設計が行われます。環境温度や湿度条件によって膨張挙動が変動するため、試験体を実際の施工条件に近い環境に養生することで、より正確な品質予測が可能になります。

収縮補償
膨張剤により体積収縮をほぼゼロに抑制
適用範囲
柱脚部、機械基礎、精密設備設置など高精度が必要な箇所
規格基準
JIS A 6908、膨張率0~0.5%、圧縮強度24N/mm²以上

柴田工業の現場から

上沢 直二
上沢 直二 事務・現場兼務

大型プロジェクトでは必ず無収縮モルタルを指定します。通常モルタルで隙間が生じた場合、その後の追い込み工事で柱の立直しが狂い、上部の溶接精度に影響します。初期費用で2~3万円高くなっても、後戻り工事のコストを考えると絶対に無収縮を選ぶべきです。

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