仮囲い設計に関する建設現場イメージ
Temporary Enclosure Design

仮囲い設計

Temporary Enclosure Design

工事の種類
かりがこいせっけい

仮囲い設計の目的と機能

仮囲い設計(かりがこいせっけい)は、建設現場の周囲に設置される仮設構造物を設計・計画する作業です。主な目的は、①周辺への飛散・落下物防止、②工事中の視線遮蔽、③騒音・粉塵対策、④作業員の安全確保です。

建設工事を実施する際、現場の周辺環境・敷地境界に応じて異なる仮囲いシステムが採用されます。

  • 板状囲い:合板またはメタルプレートを使用。視線遮蔽と落下物防止を両立
  • メッシュ囲い:通気性・採光性に優れ、透光性パネルで周辺環境への配慮
  • パネル式仮囲い:製品化された軽量パネルユニット。組立・撤去が効率的

設計における構造計算

仮囲いは立地環境から想定される風圧に耐える必要があります。特に高層建築の周辺では、吹き上げ風や乱流が強まるため、風荷重計算(建基法令や日本建築学会基準に準拠)を正確に実施する必要があります。

構造的には、以下の要素から構成されます:

  • 主柱(くいまい):鋼管またはH形鋼を立て、ベースプレートで基礎に固定
  • 水平補剛:柱間に水平ブレースを配置し、横荷重に抵抗
  • 囲い板またはパネル:前述の目的別システムから選択
  • 落下物防止ネット仮設工事の安全ポイントとして上部に設置

施工管理と検査

仮設バリア設計とも関連しますが、仮囲い設計完了後は「仮囲い工事計画書」の作成と現場検査が実施されます。特に以下の点を確認します:

  • 基礎の沈下やずれがないか
  • 各接合部のボルト・溶接が確実に施工されているか
  • 風による揺れが許容範囲内か
  • 周辺への飛散防止効果が十分か

定期的な安全巡視により、経年劣化や損傷箇所の補修を計画します。

風荷重と安全性の実務

仮囲い設計で最も重要な構造計算は風荷重(風圧)です。建築基準法施行令第87条に基づき、設計風速から建物高さ・周辺環境(市街地、内陸、沿岸など)を考慮した風圧を算出します。一般的に仮囲いの風圧係数は0.8~1.2程度で、敷地面積や周辺建物との関係によって変動します。

実務では、仮囲い高さが4~6mの場合、主柱のスパンは通常2~3m間隔とし、風圧によるモーメントを複数の柱で分散させます。また、素材の摩擦接合高力ボルト接合 で接合部の信頼性を確保することが必須です。落下物対策として、囲い上部には安全ネットを張り、定期点検で破損箇所を修繕する体制を整えます。

主目的
飛散物・落下物防止、騒音粉塵対策、周辺環境保全
主要設計要素
風荷重計算、主柱配置、囲い方式選定、基礎設計
構成部材
鋼管・H鋼柱、ブレース、板・パネル、落下防止ネット

柴田工業の現場から

石堂 洋三
石堂 洋三 現場管理・積算・調達

仮囲いは現場の顔です。風対策の計算が甘いと施工中に破損する危険があります。敷地周辺の風環境調査は予算段階で見積もっておくべき重要事項です。

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