仮囲い設計に関する建設現場イメージ
Temporary Enclosure Design

仮囲い設計

Temporary Enclosure Design

工事の種類
かりかこいせっけい

仮囲い設計とは

仮囲い設計(かりかこいせっけい)は、陸設工事における現場周囲の仮設囲い壁の構造と仕様を定める設計です。近傍建物への騒音・粉塵飛散防止、火災時の延焼防止、歩行者の安全確保、現場美化など、都市部での施工に必須の計画です。

特に陸設仮囲いでは、3~4m程度の高さの仮設壁を長期間設置するため、耐風性・耐久性・美観性のバランスを取ることが重要です。

仮囲い設計の検討項目

周辺環境への配慮

隣接する住宅・店舗との距離、学校・医療施設の近接性、交通量の多さなどを勘案します。騒音基準(昼間80dB以下が目安)を超える工事では、防音仮囲い(吸音材付き)が必要です。都市部の目抜き通り沿いでは、メディアフォーサイト(広告掲出用仮囲い)として、現場の清潔感やブランドイメージを高めるデザインも考慮します。

構造計算と部材選定

仮囲い壁は風荷重に耐える構造が必須です。4m高さでは約60~80kgf/m²の風圧を受けます。一般的な部材:

  • 鋼管フレーム(φ48.6×2.4mm程度)+ 合板張り
  • プレハブパネル(アルミ枠+ポリカーボネート or 塩ビ製)
  • 金属製メッシュフェンス(通気性重視の場合)

地盤が軟弱な場合、ベースプレート埋設深さ(通常600~800mm)を増加するか、仮設鍛冶による基礎補強が必要です。

安全・防火対策

仮囲い内への無断侵入防止(施錠ゲート、死角対策)、昼間の照度確保、夜間照明設置、防火性能(準不燃材以上が望ましい)を検討します。

施工環境への対応

掘削・山留めを伴う大規模工事では、山留め壁との間隔、腹起しの配置などを調整し、仮囲い構造との干渉を避けます。

仮囲い設計の成果物

以下の図面・計算書を作成します:

  • 仮囲い平面・立面図(寸法、パネル構成、ゲート位置を明記)
  • 仮囲い詳細図(杭基礎、フレーム接合、風荷重対応ブレース)
  • 風荷重計算書(地域の基本風速、高さ係数を適用)
  • 防音・採光計画(必要に応じて遮音パネルスペック、照明配置)
  • 仮囲い工事費積算書

各種仮囲いの選択基準

都市部・狭隘地:プレハブパネル式(施工速度快、耐久性高)

郊外・広大敷地:合板張り鋼管フレーム(低コスト)

長期工事(1年以上):メディアフォーサイト+防音材(商業価値+環境配慮)

屋外露出作業が少ない場合:メッシュフェンス(通風性、低コスト)

風荷重計算の実務

仮囲い壁の設計風速は、地域基準(例:東京都内は38m/s)と高さ係数を乗じて算出します。4m高さの場合、一般に平均風速は地上高50m相当で評価するため、高さ係数≒1.0となり、約1.5~1.6倍の増幅係数を加えた値で設計します。

杭の引抜力と圧縮力が同時に発生し、特に隅角部では応力が集中するため、基礎杭を10cm間隔で配置し、地盤に600~800mm以上の埋設深さを確保することが標準です。

騒音低減設計

一般仮囲い(合板張り)では、騒音透過率が高いため、昼間でも70~75dB程度に低減にとどまります。80dB以下達成には、吸音材(グラスウール+吸音版)を仮囲い内側に貼付し、透過損失を10dB程度向上させる必要があります。コスト増加は約30~50%ですが、苦情防止の効果は高いです。

メディアフォーサイトの活用

大規模プロジェクトでは、仮囲い壁そのものを高品質の画像出力パネルに変え、建設風景をアート化する事例が増えています。これは近隣対策(好感度向上)とPR効果を同時に実現し、工事苦情の減少、企業イメージ向上につながります。

設計基準
地域基本風速に基づく風荷重、騒音基準80dB以下
標準高さ
3~4m(敷地条件・法規制で決定)
耐久性
合板張りは2~3年、プレハブパネルは5年以上

柴田工業の現場から

石堂 洋三
石堂 洋三 現場管理・積算・調達

仮囲い設計はコスト感度が高い部分です。環境配慮と経済性のバランスを取りながら、適切な部材選定・工事期間の見積もりをすることが調達担当の腕の見せどころですね。

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