長尺金属板葺に関する建設現場イメージ
Long-Length Metal Sheet Roofing

長尺金属板葺

Long-Length Metal Sheet Roofing

工事の種類
ちょうせきんきんぞくばんぶき

長尺金属板葺とは

長尺金属板葺とは、コイル状の金属板を現場または工場で必要な長さに加工し、軒先から棟まで途中で継がずに葺き上げる屋根工法です。使用する材料は、塗装溶融亜鉛めっき鋼板、ガルバリウム鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム合金板、銅板などが代表的です。継ぎ目が少ないため雨水の浸入経路を減らしやすく、軽量で屋根の勾配にも対応しやすい点が特長です。工場、倉庫、体育館などの大規模な屋根から、一般の建物の屋根まで幅広く採用されています。

金属板の屋根には、同じく鉄骨造の屋根でよく使われる折板葺もあります。折板葺は板自体を山形に折り曲げて強度を持たせ、母屋に直接固定する工法です。一方、長尺金属板葺は野地板などの下地の上に防水層を敷き、その上に金属板を葺くのが基本で、屋根の仕上げとしての役割が中心になります。

主な葺き方と施工の流れ

葺き方には、板の両端を立ち上げて留め具を隠す立はぜ葺、瓦棒を芯にして板をかぶせる瓦棒葺、横方向に葺き重ねる横葺などがあります。いずれも吊子などの固定金物で板を下地に留め、板の伸縮を逃がせる構造にします。金属板は温度変化で伸び縮みするため、固定の方法を誤ると音鳴りや破断の原因になります。

施工の一般的な流れは、下地の確認、ルーフィングなど防水下葺材の敷設、軒先や谷、壁際の役物の取付け、本体の葺き上げ、棟包みや端部の納めという順序です。屋根勾配が緩い場合は、板の継ぎ目からの毛細管現象による雨水の浸入に注意が必要です。野地板取付工事で下地の平滑さと強度を確保することが仕上がりを左右します。

鉄骨造建物との関係と注意点

鉄骨造の屋根では、母屋の上に下地を組んで金属板を葺くのが一般的です。母屋の通りや高さの精度が悪いと屋根面に不陸が生じ、仕上がりの見た目や排水に影響します。そのため、鉄骨工事の段階から精度管理が重要になります。

屋根上の作業は墜落の危険が大きいため、安全管理として親綱、安全帯、踏み板、足場や手すりの設置が欠かせません。また、異種金属の接触による電食、シーリングの劣化、貫通部の防水処理など、完成後の維持にかかわる点にも注意し、施工管理の中で確認します。

熱伸縮と固定方法の考え方

長尺の金属板は、気温の変化に応じて長さ方向に伸び縮みします。固定金物を板に強く固定してしまうと、動きが拘束されて板がゆがんだり、固定部に応力が集中して損傷したりします。そのため、吊子を用いて板が動ける余地を残す構造が基本です。屋根が長くなるほど伸縮量は大きくなるので、板の長さや分割位置は、材料の種類や屋根の大きさを踏まえて設計段階で検討します。現場では運搬や揚重の制約も加わるため、板の長さは搬入経路やクレーンの能力とも合わせて決める必要があります。

特長
軒先から棟まで継ぎ目なく葺くため、雨水の浸入経路が少ない
主な材料
ガルバリウム鋼板、ステンレス鋼板、銅板などの金属板
注意点
熱伸縮を逃がす固定方法と下地精度の確保

柴田工業の現場から

佐藤世人
佐藤世人 工事部

屋根は母屋の精度がそのまま仕上がりに出ます。鉄骨の段階で通りを揃えておくと、屋根工事の人も助かりますし、雨漏りの心配も減ります。

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