ボルト張力管理に関する建設現場イメージ
Bolt Tensioning Management

ボルト張力管理

Bolt Tensioning Management

管理の5本柱
ぼるとちょうりょくかんり

ボルト張力管理とは

鉄骨工事におけるボルト張力管理は、柱梁接合部や仮設構造の接合ボルトに規定の張力(プリストレス)を正確に導入し、その状態を施工中・竣工後まで維持する管理体系です。ボルトの張力が不足すると、接合部の隙間が生じて構造耐力が低下し、安全性が損なわれる危険があります。

柴田工業のような鉄骨・仮設鍛冶工事会社では、トルシアボルトやトルク管理ボルトを用いて、設計値(通常、ボルト径と強度により決定される目標張力)に基づいた施工品質を確保しています。

施工管理における張力導入の方法

張力管理には複数の手法があります。

  • トルク管理法(Torque Control):トルクレンチを用いてボルトに加えるトルク値を管理する方法。JIS B 1082に基づき、一定の回転角度で追加トルクを加える「トルク・ターン法」が標準的です。
  • トルシアボルト(Torque Shear Bolt):ボルトに所定の張力が導入されると、ピン部が剪断破壊する自動停止型ボルト。過度な締め付けを防ぎ、品質を確保しやすいため、高層建築や鉄骨工事で多用されます。
  • ナット回転法(Nut Rotation Method):初期張力導入後、ナットをさらに回転させて張力を追加調整する方法。中程度の張力確認に用いられます。

張力管理における測定と検査

施工後の品質確認には、張力確認工具(テンションメーター、超音波ボルト張力計など)を用いた非破壊検査が行われます。これにより、導入された張力が設計値内にあることを確認し、工程確認書に記録します。

特に高層鉄骨建築やクレーンで吊り上げる仮設構造では、ボルト張力の低下が致命的な事故につながるため、定期的な再測定(通常、打設から1週間後、1ヶ月後)も実施されます。

ボルト張力管理と関連基準

JIS Z 3100(高力ボルト接合の設計・施工)では、張力値の設定範囲と測定方法が規定されています。また、建築工事標準仕様書(JASS 6:鉄骨工事)でも、ボルト張力管理の実施基準が定められており、施工管理技士による監督が必須です。

トルク値計算と管理の実務

ボルトの目標張力Tは、ボルト径dとボルトの材質強度により、T = 0.7 × As × σy(Asは有効断面積、σyは降伏応力)で算出されます。この張力を導入するために必要なトルク値は、ボルトとナットの摩擦係数μに依存し、M = 0.16 × d × T(概算)で求められます。

現場では、トルク値表を基に段階的に締め付けます。例えば、M20高力ボルト(強度等級10.9)の場合、目標張力は約160kN、必要トルクは約400N·mです。初回で半分程度のトルルクを加え、その後「トルク・ターン法」により追加トルクを加えることで、ボルト軸線の弾性伸びにより安定した張力を導入できます。

トルク管理実施時は、レンチの較正証明書(JIS B 7735準拠)を常備し、月1回以上の校正を実施して計測器の精度を保証する必要があります。また、天候(気温変化)による軸線長の伸縮も考慮し、特に寒冷期の施工では事前加温処理を行うことがあります。

導入張力
設計値の90~110%の範囲内に管理(JIS Z 3100準拠)
測定時期
初期導入時、1週間後、1ヶ月後の定期確認が基準
管理方法
トルシアボルトまたはトルク・ターン法を標準採用

柴田工業の現場から

佐藤世人
佐藤世人 工事部

高層ビルの鉄骨立てでは、ボルト張力が1本でも規格外だと構造の安全性が失われます。毎日の張力再確認を習慣化して、安全な現場を作ります。

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