鍛冶工事の溶接作業
KAJI

鍛冶工事

Steel Fabrication Works

工事の種類
かじこうじ

鍛冶工事とは

鍛冶工事とは、建設現場において鉄や鋼材を切断・加工・溶接・接合して、建物に必要な金属製品を製作・取付する専門工事のことです。「鍛冶」という言葉は、もともと刀鍛冶のように金属を熱して叩き、形を作る技術に由来しています。現代の建設業では、溶接やガス切断などの近代的な金属加工技術を駆使して、建設現場のあらゆる金属製品を手がけます。

鍛冶工事は大きく分けて仮設鍛冶工事本設鍛冶工事の2つに分類されます。建設プロジェクトの最初から最後まで、あらゆる工程に関わる「建設現場の万能職」と言えるのが鍛冶工(かじこう)です。

仮設鍛冶工事

仮設鍛冶工事は、工事期間中だけ使用する一時的な構造物を製作・設置する工事です。建物が完成した後にはすべて撤去されますが、本体工事を安全かつ効率的に進めるために不可欠な工事です。

代表的な仮設鍛冶工事の内容は以下の通りです。

タワークレーン基礎の製作 ── 超高層ビルの建設では、何百トンもの鉄骨を吊り上げるタワークレーンが不可欠です。そのクレーン自体を支える鋼製基礎を、鍛冶工が溶接・組立します。数千トンの荷重に耐える強固な構造が求められます。

仮設足場の鉄骨組立 ── 高所作業のための作業足場や、外壁工事用の外部足場を支えるブラケット・補強材を製作・取付します。作業員の命を支える安全設備でもあります。

仮設ステージ・構台の製作 ── 資材の荷揚げ・荷降ろし用の仮設構台や、重機の走行用仮設道路の鉄骨を組み立てます。

安全設備の製作・取付 ── 手すり、開口部の養生蓋、落下防止ネットの支持材など、現場の安全確保に必要な金属製品を製作・設置します。

本設鍛冶工事

本設鍛冶工事は、建物に恒久的に残る金属製品を製作・取付する工事です。仮設が「撤去前提」であるのに対し、本設は建物の一部として数十年にわたって使われ続けます。

製作金物 ── 鉄骨同士を接合するための金属プレートやブラケット、設備機器を固定するためのアンカー金物、配管を支持する金物など、建物内部に無数に使われる小さな金属部品を総称して「製作金物」と呼びます。設計図面に記載されない現場合わせの金物も多く、鍛冶工の経験と技術が問われる領域です。

手すり・階段・タラップ ── 建物内外の手すり、非常階段、屋上のタラップ(梯子)など、利用者の安全に直結する金属製建具です。建築基準法で定められた強度基準を満たしつつ、建物のデザインに調和する仕上げが求められます。

鉄骨の現場溶接 ── 工場で製作された鉄骨部材を現場で接合する溶接作業も、鍛冶工の重要な仕事です。特にスーパーゼネコンの現場では、JIS規格の溶接資格を持った技能者による施工と、UT検査(超音波探傷試験)による品質検証が必須です。

鍛冶工事に必要な資格・スキル

鍛冶工として建設現場で働くためには、複数の専門資格とスキルが求められます。

溶接技能 ── アーク溶接、ガス溶接、TIG溶接など、素材や用途に応じた溶接技術が基本中の基本です。特に現場溶接は、高所・狭所・風雨の中など、工場とは異なる厳しい条件下で行うため、高い技術力が必要です。

玉掛け技能 ── クレーンで資材を吊り上げるためのワイヤー掛け技術です。荷重の計算、重心の見極め、適切な吊り具の選定には専門知識と経験が不可欠です。

図面読解力 ── 施工図から金物の形状・寸法・材質を正確に読み取る能力が求められます。現場合わせの金物製作では、三次元空間の中で部材がどう組み合わさるかをイメージする空間認識能力も重要です。

ガス切断技能 ── 酸素とアセチレンガスを使って鋼材を切断する技術です。複雑な形状の切断や、既存の鉄骨を部分的に撤去する際に使います。

鍛冶工事は施工管理と連携しながら、建設現場全体の工程を支える基盤的な専門工事です。

「鍛冶屋」が建設業を支える ― 現場の万能職人

建設現場では鍛冶工のことを親しみを込めて「鍛冶屋(かじや)」と呼びます。鍛冶屋は建設プロジェクトの最初から最後まで現場にいる数少ない職種です。着工時の仮設工事から、鉄骨建方中の溶接、内装段階での金物取付、竣工前の手すり設置、そして引き渡し後の仮設撤去まで、すべてのフェーズで鍛冶工の技術が必要とされます。

スーパーゼネコンの大規模現場では、鍛冶工の役割はさらに広がります。たとえば、設計図面にない現場合わせの金物が必要になった時、鍛冶工は監督と協議しながら即座に製作します。「こういう金物がほしい」という口頭の指示から、材料の選定・加工・取付まで一人で完結できるのが一人前の鍛冶工です。

また、鍛冶工事の技術は応用範囲が極めて広いことも特徴です。溶接、切断、金属加工の技術を持っていれば、仮設鍛冶、鉄骨建方、金属パネル金属工事全般に対応できます。建設業界で最も「つぶしが効く」技術と言われるゆえんです。一つの現場が終わっても、次の現場で必ず需要がある。鍛冶工事は、建設業がある限り絶対になくならない仕事です。

分類
仮設鍛冶・本設鍛冶
基本技術
溶接・切断・金属加工
特徴
建設現場の万能職

柴田工業の現場から

上沢直二
上沢 直二 鍛冶工事担当

鍛冶屋の仕事は毎日やることが違うんですよ。今日はクレーン基礎の溶接、明日は手すりの取付、明後日は鉄骨の現場溶接。飽きることがないし、現場全体のことがわかるようになる。大成建設や大林組の現場だと特に求められる品質が高いですけど、その分「鍛冶屋がいないと現場が回らない」という信頼感がある。溶接の火花を散らしていると「やっぱりこの仕事が好きだな」って思いますね。

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