鉄骨仮上げ設計に関する建設現場イメージ
Steel Frame Temporary Hoisting Design

鉄骨仮上げ設計

Steel Frame Temporary Hoisting Design

管理の5本柱
てっこうかりあげせっけい

鉄骨仮上げ設計の位置付け

鉄骨仮上げ設計は、鉄骨を吊上げて建て入れする過程において、部材が最終位置に達するまでの各段階での応力状態を解析し、仮設支持条件下での安全性を確保するための構造設計です。鉄骨工事では、部材の自重、クレーンによる吊込荷重、風荷重などが通常の設計想定と異なるため、仮上げ段階独有の応力を算出し、部材が過応力状態に陥らないよう事前に検証する必要があります。

特に大型梁や複雑な架構では、仮上げ時の応力が最終設計応力を上回るケースが多く、この段階での綿密な検討が施工安全と工事進捗の両立を実現します。柴田工業では、施工図作成時に仮上げ設計も同時に実施し、現場での支保工計画に反映させます。

仮上げ応力解析の方法

仮上げ設計は、段階的な架構状態を想定した構造解析により実施されます。例えば、階高方向に複数の梁が段階的に設置される場合、各段階での架構剛性が異なるため、その都度の応力分布を正確に把握することが重要です。

解析手法としては、(1)FEM(有限要素法)による3次元解析、(2)簡易計算法による応力検証、(3)BIMモデルを活用した可視化と検証が組み合わせられます。仮上げ状態では、上部構造の自重がまだ作用していないため、下部部材への荷重が限定的である反面、水平荷重(風、建方時の振動)への抵抗性が低くなりやすいため、これらを慎重に評価します。

支保工計画との統合

仮上げ設計の結果は、現場の仮設鍛冶安全教育および施工管理に直結します。仮支持が必要と判定された部位には、仮支持装置やサポート材を配置し、設計で確保した安全性を現場で実現します。支保工図に仮上げ応力を注記することで、現場作業者が設計意図を理解しやすくなり、施工ミスを低減できます。

風荷重と建方振動への対応

仮上げ段階では、架構全体の剛性が著しく低く、予期しない風荷重や建方機械の振動の影響を受けやすくなります。特に高層建物や河川沿いの現場では、設計用風速を超える突風が発生した場合の挙動を想定した検証が必要です。部材の座屈やねじれが生じないよう、仮設ブレースやくさび鋼板の配置を設計段階で決定し、建て入れ設計に反映させます。また、クレーン操作による衝撃荷重も重要な検討項目であり、吊上げ速度の制限や吊具の選定も仮上げ設計に基づいて決められます。

検討対象
建方過程の各段階における部材応力・変形・安定性
主要荷重
自重・吊込荷重・風荷重・建方振動など施工段階特有の荷重
設計成果物
仮支持図・応力計算書・段階別架構図・支保工図への反映

柴田工業の現場から

石堂 洋三
石堂 洋三 現場管理・積算・調達

仮上げ設計が甘いと、現場で予期しない変形や不安定さが生じて、工期遅延に繋がります。施工図段階での綿密な検討が、後の施工性と安全性を大きく左右する投資だと考えています。

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