クサビ・スグベース工法に関する建設現場イメージ
Wedge and Level Base Method

クサビ・スグベース工法

Wedge and Level Base Method

工事の種類
くさびすぐべーすこうほう

クサビ・スグベース工法について

クサビ・スグベース工法は、鉄骨建方時に柱脚の高さ調整と水平性を確保するために用いられる仮設工法です。ベースプレートと基礎コンクリート間に取り付けるクサビ状の調整部材と、水平精度を確保する補助装置を組み合わせたシステムです。

従来は、基礎天端にモルタルを塗って高さ調整を行う「初期モルタル方式」が一般的でしたが、現場での調整が難しく、精度維持に課題がありました。クサビ・スグベース工法は、施工性の向上と精度確保を実現する改良工法として採用されるようになりました。

工法の構成と機能

クサビ部材は、複数の金属片を階段状に重ねた構造で、所定の高さまで挿抜することで柱脚の沈下量を微調整できます。この方式により、基礎天端の凸凹や不陸を吸収しながら、アンカーボルトの引っ張り力を確保できます。

スグベース(水平ベース)は、クサビの上部に設置される調整装置で、柱脚面の水平性を確保します。微調整用のねじやレベル調整機構を備え、建入れ精度管理の段階で現場作業者が容易に水平度を調整できる利便性があります。

施工手順と特徴

基礎コンクリート打設後、柱建方前にクサビ・スグベース装置をアンカーボルト上に設置します。クサビの高さは、事前の現場調査(基礎天端の実測値)に基づいて設定されます。

柱建方時には、高精度のレベル計測機器を用いて水平度を確認しながら、スグベースの調整機構を操作します。這い松ねじ等の微調整機構により、わずか数mmの精度で水平性を確保できます。

本ボルト締結後、クサビ・スグベース装置は撤去されます。この撤去後の柱脚精度変化を確認することで、予期しない沈下や変形を検知できます。

利点と留意点

利点としては、①現場での微調整が容易、②基礎天端の不陸を吸収、③アンカーボルトの確実な引っ張り確保、④撤去後の精度復帰が見込める、などが挙げられます。

留意点としては、①事前の基礎不陸調査が必須、②作業者の技量に左右される可能性、③初期設定誤差の影響、などがあります。そのため、施工管理技士による事前計画と現場確認が重要です。

基礎天端不陸への対応

コンクリート基礎の天端は、設計高さからの誤差(不陸)が避けられません。特に大規模建物では、施工面積が広く、打設方向による水平性のばらつきが生じます。一般的に許容される基礎天端の不陸は±30mm程度ですが、柱脚精度を高く要求する建物では、この不陸を柱脚で吸収することが困難でした。

クサビ・スグベース工法では、クサビの挿抜量を変化させることで、最大50~100mm程度の不陸差を吸収できるものもあります。これにより、基礎修正工事(やり直し)の必要性が大幅に低減され、工期短縮とコスト削減につながります。

ただし、不陸が大きすぎる場合や、同一柱脚内での不陸が激しい場合は、初期モルタル工法やインジェクション工法との併用が検討されます。

ボルト張力確保と安全性

アンカーボルトの張力確保は、柱脚の安全性を左右する重要な要素です。クサビ・スグベース装置を使用する際、クサビが不安定に抜け出すことのないよう、機械的なロック機構を備えることが標準仕様です。

本ボルト締結時には、トルク管理を厳格に実施し、設計値の張力が確保されていることを確認します。クサビ撤去後、ボルト張力が低下していないかの再確認も必要です。

大地震時の接合部挙動を考慮すれば、クサビ撤去による柱脚の沈下量(数mm~数十mm)が建物の耐震性能に悪影響を与えないか、設計段階で検討されるべきです。

主要機能
クサビによる高さ微調整とスグベース部材による水平精度確保の組合せ
対応可能な不陸
工法によって異なるが、一般的に基礎天端不陸±30~50mm程度に対応
施工効果
基礎修正工事削減、工期短縮、柱脚精度の高精度化を実現

柴田工業の現場から

石堂 洋三
石堂 洋三 現場管理・積算・調達

クサビ・スグベースを上手に使うと、基礎の小さな不陸で柱建方が遅延する事態を防げます。事前調査と工法選定のコストが少額で済む割に、現場での手戻り削減効果は大きいです。

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