仮設電力供給設計に関する建設現場イメージ
Temporary Power Supply Design

仮設電力供給設計

Temporary Power Supply Design

工事の種類
かせつでんりょくきょうきゅうせっけい

仮設電力供給設計の役割

建設現場では、鉄骨クレーン、溶接機、照明、動力工具など多数の電気機器を使用します。仮設電力供給設計は、これらの機器を安全かつ効率的に稼働させるための電力基盤設計です。受変電設備の容量選定から配線ルート、保護装置の仕様まで、統合的に計画することが重要です。

負荷計算と容量設計

仮設電力供給設計の第一ステップは、現場全体の最大需要電力を計算することです。鋼管杭組立て管理図解などの施工計画から、クレーン稼働スケジュールを把握し、同時使用係数を適用します。一般的に鉄骨工事では、定格容量の70~80%を同時使用係数として採用することが多いです。

高圧引込みか低圧引込みかの判断も重要です。工事規模が大きく需要電力が200kW を超える場合、高圧受電(6,600V)を採用することで、引込み線径の縮小と電力損失の削減が実現できます。

配線計画と安全装置

配線ルートは、腹起し材などの仮設構造物や、既設配管との干渉を避けるよう設計します。電気配線図(単線図)には、開閉器、分岐幹線、配電盤の位置を明記し、現場管理者が容易に把握できるようにします。

過電流保護、漏電保護、接地装置は安全管理の要です。屋外使用の配線にはVVF-S(防水性ビニルコード)や、接地線付き産業用コネクタを採用します。雨天対策として、配電盤の防水等級IP54以上を確保することが業界慣例です。

現場運用と定期点検

仮設電力供給設計が完成しても、実際の運用段階では定期的な絶縁抵抗測定や接地抵抗値測定が必須です。月1回程度の簡易点検と、3か月ごとの詳細点検を実施して、安全性を維持します。

高圧受電設計の実務

200kW以上の大規模工事では、高圧(6,600V)での仮設電気設備が標準となります。受配電盤は工事現場の安全性を左右する重要設備であり、施工管理者と電気管理技術者が密に連携する必要があります。

高圧受電契約に際しては、電力会社との協議で以下を決定します:(1)引込み地点(敷地の南西など)、(2)メーターの設置位置、(3)事故時の遠隔遮断システムの有無。仮設電力供給設計図には、これらの諸元をすべて記載し、電力会社の竣工検査に備えます。変圧器の容量選定時は、同時使用係数だけでなく、将来の負荷増加(10~15%)も見込んで設計するのが実務的です。

屋外設置の受配電盤は、台風対策として基礎を十分に取り、転倒防止ワイヤを設置します。雨水侵入防止のため、パネル底部に排水勾配を設け、定期的に清掃することが重要です。

負荷計算基準
同時使用係数70~80%を標準採用し、最大需要電力を算定
高圧引込み判定
200kW以上で高圧受電(6,600V)を検討、経済性と安全性を両立
保護装置
過電流保護・漏電保護・接地抵抗値(10Ω以下)を確保

柴田工業の現場から

石堂 洋三
石堂 洋三 現場管理・積算・調達

仮設電力設計は、見積り精度に直結します。クレーンの稼働スケジュールと施工工程を正確に把握し、ピークロードを見積もることが肝心。電力会社への申請期間(通常2~3ヶ月)も工程計画に織り込む必要があります。

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