JIS溶接技能者に関する建設現場イメージ
JIS Welding Skilled Worker

JIS溶接技能者

JIS Welding Skilled Worker

資格
じすようせつぎのうしゃ

JIS溶接技能者資格の定義と重要性

JIS溶接技能者(じすようせつぎのうしゃ)は、日本工業規格「JIS Z 3801 溶接技能者の認定及び認定機関」に基づき、溶接施工に必要な知識・技能を持つことを公式に認証する資格です。

建設工事では、溶接が構造体の一体性を確保する最重要工程であり、溶接の品質が建物の安全性に直結します。そのため、公共建築工事標準仕様書では、重要度に応じた溶接施工に従事する者は、JIS溶接技能者資格(または同等の認定資格)を保有することが原則となっています。

柴田工業を含む鉄骨工事・仮設鍛冶工事業者は、JIS溶接技能者を多数配置し、その資格保有状況を施工計画書に明記することで、発注者・設計者からの信頼を獲得します。

JIS溶接技能者認定の種類と階級

JIS溶接技能者資格は、以下の要素で分類されます。

溶接方法による分類:主要な分類は、手工溶接(SMAW)・MAG溶接(MIG/MAG)・TIG溶接(GTAW)などです。建築鉄骨工事では、手工溶接とMAG溶接が大部分を占めます。資格者は、認定を受けた特定の溶接方法にのみ従事できます。

溶接部材料による分類:軟鋼(一般的な鋼材)・ステンレス鋼・アルミニウム合金など、異なる材料ごとに認定が細分化されています。建築工事では軟鋼認定が標準です。

階級による分類:JIS Z 3801では、階級が以下のように定められています。

特別級:高度な溶接技能を有し、複雑な構造の溶接に従事可能。管理的責務も担当。
1級:標準的な溶接施工に従事可能。大部分の建築鉄骨溶接に対応。
2級:基本的な溶接施工に従事可能。一定の制限あり。

公共建築工事では、梁端部の完全溶接など重要度の高い部位に従事する者は、原則1級以上の資格保有が求められます。

認定試験と資格取得プロセス

JIS溶接技能者の認定を得るには、認定試験を受験し合格する必要があります。認定試験は、以下のステップで構成されます。

学科試験:溶接に関する基礎知識(溶接原理・金属材料・安全・図面読図など)について、筆記試験で評価されます。合格ラインは通常70点以上です。

実技試験:実際に鋼板を溶接し、その品質を評価されます。試験体のサイズ・寸法、溶接条件(電圧・電流・速度など)が規定されており、試験者はこれらを厳密に守る必要があります。溶接ビードの外観検査、マクロ検査(断面の金属組織観察)によって合否が判定されます。

実技試験は、認定機関(日本溶接協会など)が指定した試験所で実施されます。複数回の受験が一般的であり、初回合格率は約30~50%程度とされています。試験費用は1回あたり3~5万円程度です。

資格保有状況の管理と更新

JIS溶接技能者資格には有効期限があり、認定後3年間が標準です。有効期限内であっても、技能の維持確認のため、定期的に継続教育(講習など)を受講することが推奨されます。

建設工事の現場では、施工管理が各溶接工の資格保有状況を把握し、施工計画書に記載することが必須です。資格期限切れ間近の場合は、工事開始前に更新試験を受験させ、資格の有効性を確保します。

柴田工業では、所属職人の資格取得・更新を支援する社内制度を設け、会社全体の技能レベルの維持・向上に努めています。新入社員に対しても、入社後数年以内にJIS溶接技能者1級取得を目指す研修体制を整備しています。

JIS溶接技能者と現場実務

実務では、溶接管理担当者が、各溶接工に対し、工事が開始される前に以下を確認します:

・資格証の提示(有効期限内であること)
・認定された溶接方法・材料が、当工事で必要な内容と合致しているか
・最近の溶接実績(過去数ヶ月の経験)

特に、資格は保有していても、実際の溶接経験が長時間ない場合は、腕が鈍っている可能性があります。この場合、実際の工事に従事させる前に、試験的な溶接を実施し、技能レベルを確認することが推奨されます。

また、非破壊検査で不合格と判定された溶接個所がある場合、その原因を分析し、溶接工への再教育が必要か判断することも、溶接管理の重要な責務です。

JIS溶接技能者資格の課題と業界動向

現在、建設業全体で深刻な人手不足が進む中、溶接技能者の育成と確保が大きな課題となっています。JIS溶接技能者の取得には、相応の時間・費用がかかり、試験の難易度も高いため、若年層の進学が限定的です。

一方、政府は「建設キャリアアップシステム(CCUS)」の導入により、技能者の実績を可視化し、処遇改善につなげる施策を推進しています。JIS溶接技能者資格は、このCCUSにおいても高く評価される資格であり、資格保有者の給与・待遇を改善する企業が増えています。

柴田工業では、若年職人のJIS溶接技能者取得を重視し、会社負担での試験受験機会の提供、合格時の報奨金制度など、インセンティブを設けて人材育成に投資しています。同時に、外国人技能実習生の受け入れも検討し、溶接技能の国際化に対応しようとしています。ただし、外国人実習生も、日本国内での就労には、JIS溶接技能者またはそれに相当する資格取得が必須となります。

資格分類
溶接方法・材料・階級(特別級・1級・2級)により細分化。重要部位は1級以上必須
試験構成
学科試験+実技試験。実技試験の初回合格率は30~50%程度
有効期限
3年間。有効期限内に継続教育受講が推奨される

柴田工業の現場から

上沢 直二
上沢 直二 事務・現場兼務

溶接工の腕は、資格だけでは測れませんが、JIS資格があるかないかで、信頼度は大きく違います。当社では、若い職人たちに『将来のために1級を取りなさい』と常に声をかけています。実際に資格を取ると、本人の自信にもなるし、給料も上がります。ただし、資格を取った後が大事で、常に『初心を忘れず、丁寧に溶接する』という姿勢を忘れないよう指導しています。

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