
不陸
Unevenness (Surface Irregularity)
不陸とは
不陸(ふりく)とは、床や壁、屋根、地面などの面が平らでなく、凹凸や波打ち、傾きがある状態をいう建設用語です。「ふろく」と読まれることもあります。「陸(ろく)」は水平で平らなことを意味し、「不陸」はそれが整っていないことを示します。不陸があると、仕上げ材の浮きやひび割れ、水たまり、建具の不具合などにつながるため、施工中の管理が重要です。
不陸が生じる原因
コンクリート床では、打設時の均しや締固めの不足、型枠のたわみ、コンクリート振動締固めのムラなどが原因になります。型枠の精度不良や支保工のたわみも壁面や床面の不陸につながります。鉄骨の分野では、ベースプレート下の均しが不十分だと据付け面の不陸が柱の建入れ精度に影響するため、柱底均しモルタルで調整します。屋根やデッキプレートの下地でも、梁のレベル差が不陸として現れることがあります。
確認と調整の方法
不陸の確認には、レベルやレーザー水準器、定規(直定規)、水糸などを用います。基準となる高さは墨出しで現場に示し、そこからの寸法で管理します。調整方法は状況により異なり、床ではセルフレベリング材やモルタルによる調整、突起部のはつりや研削、壁ではパテやモルタルによる補修などがあります。これらは下地処理の一部として行われ、左官工事の精度とも密接に関わります。
許容される精度
どの程度の不陸が許されるかは、仕上げ材や仕様書によって異なります。たとえば、薄い仕上げ材ほど下地に高い平坦性が求められます。設計図書や特記仕様書で示された許容値を確認し、それに従って管理することが基本です。
不陸と水勾配の違い
不陸は意図しない凹凸や傾きですが、屋上やバルコニー、駐車場などでは排水のため、あえて床に水勾配をつけます。これは不陸ではなく設計上の勾配です。ただし、施工誤差で勾配が不足したり逆勾配になったりすると、水たまりができ、防水層の劣化や漏水の原因になります。
そのため、水勾配のある面では、不陸の確認と合わせて、設計された勾配が確保されているかを測定します。打設前に高さの基準をしっかり出しておくこと、仕上がり後に水を流して確認することなどが有効です。不陸の発生を抑える最も効果的な方法は、後で直すことではなく、躯体の段階で精度を出すことです。
柴田工業の現場から
柱脚の下がわずかに不陸でも、建入れに響きます。ベースプレート下の均しは慎重に確認するようにしています。