復旧設計に関する建設現場イメージ
Restoration Design

復旧設計

Restoration Design

工事の種類
ふくげんせっけい

復旧設計とは

復旧設計(ふくげんせっけい)は、既存の建築物や土木構造物が地震・火災・経年劣化などによって損傷を受けた場合、その構造物を元の機能に戻すための設計業務です。鉄骨造建物では、主に鉄骨工事の補強部位や接合部の欠陥箇所を特定し、必要な補修・補強方法を決定します。

柴田工業のような鉄骨・仮設鍛冶工事会社では、復旧設計の結果に基づいて補強材の加工・取付けを実施することが多く、設計図の正確な解読と現場での適切な対応が重要となります。

復旧設計の実施プロセス

復旧設計は以下のステップで進行します。

  • 被害状況調査:目視調査、非破壊検査、必要に応じてコア採取などを実施し、損傷の程度・範囲・原因を把握します。
  • 構造解析:既存構造物の現況を踏まえて再度構造計算を実施し、補強後の安全性を確認します。
  • 補強方法の決定:部材の取替え、増し厚、溶接補強、外付け補強など、複数案を比較検討します。
  • 補強図の作成:既存図面に補強内容を重ねた詳細図を作成し、施工者が正確に工事を実施できるようにします。

鉄骨造における復旧設計の特徴

鉄骨造の復旧設計では、以下の点が特に重要です。

  • 継手・仕口部の評価:高力ボルト接合やリベット接合などの既存接合部の性能を再評価し、必要に応じて補強ボルトの追加や溶接補強を実施します。
  • 部材の疲労評価:繰り返し応力を受けた鉄骨部材に対しては、き裂の有無を詳細に調査し、必要な補強方法を決定します。
  • 仮設工との調整:復旧工事中も建物が使用される場合が多いため、仮設鍛冶工事による支保工や部材の一時的な支持方法をあわせて検討します。
  • 既存材料の再利用判定:取り外した鉄骨部材について、再利用可能な範囲を明確にし、新規材との置換範囲を最小化します。

復旧設計における法規・基準

復旧設計は、建築基準法、JASS6 鐵骨工事、既設構造物補強設計指針などの基準に準拠する必要があります。特に耐震補強を伴う場合は、品確法に基づくレベル設定と、それに対応した補強設計が求められます。

設計者は建築士資格を有し、施工者である鉄骨工事会社とのコミュニケーションを通じて、実現可能で経済的な補強方案を提案することが期待されます。

既存構造物の調査手法と復旧設計への影響

復旧設計の精度は、事前調査の充実度に大きく左右されます。目視調査だけでは見落とされやすい内部き裂や腐食については、非破壊検査(超音波探傷、磁粉探傷、渦電流探傷など)を活用します。鉄骨造では特に溶接部のき裂検出が重要であり、JIS Z 3064に基づくUT(超音波)検査や磁粉探傷検査が標準的です。

また、被害が集中している箇所については材料試験(引張試験、化学成分分析)を実施し、当初設計時の材質が現況でも満たされているかを確認します。これにより、補強の必要範囲が確定し、工事費の適正化にもつながります。鉄骨工事会社は、設計者の指示に基づいて調査サンプリング位置を選定し、回収した試料を試験機関に送付する役割を担うことが多いです。

調査ベース
被害状況の詳細調査により、補強範囲と方法を決定
既存図の活用
オリジナル設計図の確保と照合により、隠れた欠陥を発見
施工性評価
補強工法の選択時に施工難度と工期を総合考慮

柴田工業の現場から

石堂 洋三
石堂 洋三 現場管理・積算・調達

復旧工事では設計図面が頻繁に変更になることがあります。既存構造との取合いを現場で確認しながら、補強材の加工寸法を調整することが多いですね。設計者との良好な関係が工事成功の鍵です。

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