
アスファルト防水
Asphalt Waterproofing
アスファルト防水とは
アスファルト防水とは、アスファルトルーフィングなどのシート状材料を、溶融したアスファルトなどで貼り重ねて、連続した防水層をつくる工法です。屋上やバルコニー、庇、地下外壁などに古くから用いられており、実績が多く信頼性の高い防水工法の一つです。複数の層を重ねるため、ピンホールなどの欠陥が防水層全体に及びにくい特長があります。
防水の考え方はコンクリート防水や、施工目地防水工とは異なり、下地の上に別の層を形成する「メンブレン防水」に分類されます。
主な工法の種類
代表的なものに、次の三つがあります。
一つ目は熱工法です。釜で溶かしたアスファルトを使ってルーフィングを貼り重ねます。防水性能と信頼性が高い一方、煙や臭気が出やすく、高温のアスファルトを扱うため火傷や火災への注意が必要です。
二つ目はトーチ工法です。改質アスファルトシートの裏面をトーチバーナーであぶり、溶かしながら貼り付けます。釜が不要で施工が比較的容易ですが、火気を使うため、周囲の可燃物への配慮と火気管理が欠かせません。
三つ目は常温工法です。裏面に粘着層をもつシートを貼り付けるもので、火気を使わず、臭気や煙も少ないため、改修工事や火気使用の制限がある建物で選ばれます。
施工の流れと管理のポイント
一般的な流れは、下地の清掃と乾燥確認、プライマー塗布、ルーフィングの貼付け、立上り部や排水口(ドレン)まわりの処理、仕上げの保護層や押えの施工です。下地に水分や汚れがあると、防水層の膨れや剥離の原因になります。下地処理を丁寧に行い、乾燥を確認してから施工します。
ルーフィングの重ね幅、立上りの高さと端部の納め、ドレン周囲の補強は、漏水の発生しやすい重要な箇所です。品質管理の面でも、施工中の写真記録や、完成後の水張り試験などで確認します。屋上では、安全管理として墜落防止措置が必須で、仮設エッジ保護などを計画的に配置します。
鉄骨造の建物では、デッキプレートの上に打設した床コンクリートを下地として防水を施工する例が多く、コンクリートの乾燥やひび割れの状況を確認します。屋上に設置する設備の基礎や架台の周りも漏水の原因になりやすいため、施工図で防水の取り合いを事前に整理しておくことが大切です。
火気作業の安全管理
アスファルト防水では、熱工法やトーチ工法のように火気を使う作業が多くあります。作業前に消火器の配置、可燃物の除去、周辺の養生、火気使用の届出や許可の確認を行い、作業後は火の残りがないか一定時間見回ることが基本です。高温のアスファルトは、運搬や釜からの汲み出しで飛散すると重大な火傷につながるため、保護具の着用と運搬経路の整理が必要です。風の強い日は火の粉や臭気が周囲に広がるおそれがあるので、作業を中止する判断基準を事前に決めておくとよいでしょう。近隣への煙や臭気の配慮も、工法選定の際に大切な視点になります。
柴田工業の現場から
屋上防水は他の設備工事との取り合いで漏水が起きがちです。施工図の段階で防水の納まりを確認し、工程の前後関係を整理するようにしています。